工務店のSNS戦略は完成写真で勝負しない|目的4つの比較表と見学会KPI・施主の住所特定対策|HolyTech
工務店のSNS戦略は、完成写真を並べるだけでは建売やハウスメーカーと横並びで比べられます。新築集客・リフォーム・採用・OB施主の紹介の目的4つで媒体とKPIを比較し、見学会予約を増やす受け皿、施主の住所特定を防ぐ撮影ルール、内製と外部の判断基準を整理します。
結論から言います。工務店のSNSは「完成写真(施工事例)を並べれば問い合わせが来る」ものではありません。注文住宅を建てた世帯の過半数は建売住宅とも比較しており、完成写真はハウスメーカーやポータルサイトの写真と並べて見られます。工務店が勝てるのは「つくる過程と人(大工・設計士)」と「地元の気候・土地に合わせた理由の説明」です。KPIはフォロワー数ではなく、見学会予約と資料請求に置きます。
市場も縮んでいます。国土交通省の建築着工統計(令和7年計・2026年1月30日公表)では、2025年の新設住宅着工戸数は740,667戸(前年比6.5%減)、うち持家は201,285戸(同7.7%減・4年連続の減少)でした。同じ地域の中で、限られた施主を取り合う構造です。
本記事では、SNS運用代行 累計250社以上の株式会社HolyTechが、地域の工務店・リフォーム会社のSNSを目的別にどう設計するか、見学会につなぐ受け皿、施主と近隣を守る撮影ルール、内製と外部の判断基準を解説します。職人の採用に絞って代行会社を選ぶ場合は建設業のSNS運用代行は施工写真で人を採らないをご覧ください。
本記事と併せて、『ショート動画の教科書』を資料ダウンロード(無料)もご活用ください。
工務店のSNS戦略は目的4つで分ける|新築集客・リフォーム・採用・OB紹介の比較表
誰に何をしてほしいかで、媒体もKPIも変わります。
| 目的 | 届けたい相手 | 主な媒体 | コンテンツの型 | KPI | 検討期間 | 向く体制 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 新築(注文住宅)の集客 | 家づくりを考える子育て世帯 | Instagramリール・YouTube | 施工の過程、完成見学会、設計士が語る間取りの理由 | 見学会予約・資料請求 | 長い(土地探し・会社選び・設計の段階を経る) | 設計・営業が出演、企画と編集を外部へ |
| リフォーム・修繕の地域集客 | 築年数のたった家に住む施主 | Googleビジネスプロフィール・Instagram | 工事前後の説明、職人の手元、よくある劣化の解説 | 電話・フォームの問い合わせ | 短い(不具合の発生が起点) | 現場担当がスマホで撮り、外部が編集 |
| 職人・施工管理の採用 | 若手の大工・施工管理の経験者 | TikTok・Instagramリール | 職人の1日、親方と若手の会話、給与と休日の実態 | 応募・見学 | 中程度 | 職人が出演、企画と編集を外部へ |
| OB施主との関係維持・紹介 | 引き渡し済みの施主とその知人 | LINE公式アカウント・Instagram | 点検の案内、住み心地の施主インタビュー、イベント告知 | 紹介件数・点検予約 | 長期(引き渡し後も続く) | 社内で内製 |
ポイントは、同じ現場の素材でも、新築集客なら「なぜこの断熱材か」の説明、採用なら「若手が任される仕事」の紹介になるという点です。素材は共有し、目的ごとに語り手・字幕・誘導先を変えるのが効率的です。業種ごとの戦略の組み立て方は不動産のSNS戦略でも同じ考え方で整理しています。工務店のように客単価が高く検討期間が長い業種でSNSが効くかの判定は客単価×検討期間×見せられる工程の判定表で扱っています。
「完成写真を並べれば問い合わせが来る」は誤り|施主が比べる場所で勝つのは過程と人
「分譲・建売」とも比較検討
国土交通省の令和7年度住宅市場動向調査(2026年7月公表)では、注文住宅取得世帯が施工者を探した方法は「インターネット」と「住宅展示場」が同率の45.8%で最多、「知人等の紹介」が25.9%でした。また、注文住宅取得世帯の51.4%は「新築一戸建て(分譲・建売)」とも比較検討しています。
▼このコンセプトの「型」が分かる参考動画(弊社クライアントではない公開アカウント)
・webマーケターの例:「新しい情報であると冒頭で伝えることで「乗り遅れたくない」という人の心理を刺激する」(@osaru_tiktok1)
https://www.tiktok.com/@osaru_tiktok1/video/7578889104125889799
・ヘアセットの例:「初めに内面・外面の両面からヒアリングを行い、それを基にヘアカット・メイクなどの施」(@himipoh)

つまり施主は、工務店の完成写真を、建売住宅の物件写真やハウスメーカーの展示場と同じ画面で比べています。完成写真では「なぜこの会社か」が示せません。
| 投稿の型 | 伝わること | 比べられる相手 | 次の行動につながるか |
|---|---|---|---|
| 完成写真(施工事例) | デザインの好み | 建売の物件写真・展示場・ポータルの写真 | 好みが合えば保存されるが、会社の違いは伝わりにくい |
| 施工の過程(基礎・断熱・構造) | 見えない部分の品質 | ほぼ無い(大手は現場を見せにくい) | 「見学会で実物を見たい」につながる |
| 人(大工・設計士)が話す | 誰と家をつくるか | ほぼ無い | 指名・相談につながる |
| 地元の気候・土地に合わせた理由 | その地域で建てる根拠 | 全国一律の商品説明 | 資料請求・個別相談につながる |
弊社のショート動画170本の実測では、話者(誰が話すか)で再生数に2〜5倍の差が出ました。弊社が支援した不動産仲介の例でも、人物が映る動画は映らない動画より平均再生回数が明確に高く、玄関から長回し1本で撮る構成は冒頭3秒で離脱されていました。弊社が内製化を支援した家具・インテリア専門店では、店員の説明を動画で追体験させる「接客=疑似体験」の型でリール平均約1万再生を得ました。工務店に置き換えると、設計士が現場で「この窓の位置は西日を避けるため」と話す動画が、その疑似体験になります。具体的な支援の流れは低価格特化のショート動画制作サービスの詳細をご覧ください。
KPIはフォロワーでなく見学会予約と資料請求|受け皿と計測の設計
最初に整えるべきは、投稿本数より「見た人が予約できる受け皿」です。弊社が支援した関西の注文住宅の工務店では、先方の見立てで「成約1件のためにモデルハウス予約が5件必要」でした。ここから逆算すると、追う数字は次の順になります。
1. 再生数・リーチ:見学会の存在を知ってもらう 2. プロフィール表示数:「この会社はどんな家を建てるのか」と興味を持った数 3. リンクのクリック数:予約ページ・資料請求・LINE登録へ進んだ数 4. 見学会予約・資料請求:営業が接点を持てる数 5. 契約:上記の結果
同社では、月の投稿本数とあわせて「受け皿の整備率」を先に管理しました。具体的には、①見学会のイベントカレンダーをストーリーズとハイライトに常設し予約ページにリンク、②「見学だけでも大丈夫ですか?」「資料請求をするとどんな資料がもらえますか?」などのQ&Aを用意、③ピン留め投稿とLINE誘導の整備、の3つです。受け皿が整ってから、プロフィール遷移率とLINE登録率へKPIを移します。
計測の落とし穴もありました。同社の支援開始時、スマホからモデルハウスの予約ページへ進むとエラーになる状態でした。月に1回、自分のスマホで予約まで通しでたどり、広告やアクセス解析で予約完了の数を取れるかを確認してください。同社がMeta広告で認知目的の配信(広告費 月8万円)を行った2025年10月は、クリック単価 平均25円・クリック率3.84%でした。成果は商圏・季節・素材で差があります。費用の目安はショート動画運用代行の料金・事例(サービス詳細)でも公開しています。
LINEに登録した見込み客やOB施主への配信設計はLINE運用代行の比較は配信本数で選ばない、Instagramを来店・予約につなげる手順はインスタ集客のやり方7ステップで詳しく扱っています。リフォームのように近所で探される目的は、MEO対策のやり方7ステップでGoogleビジネスプロフィールを整える方が先です。住宅市場動向調査でも、リフォーム実施世帯が施工者を探した方法は「以前からつきあいのあった業者」28.5%、「知人等の紹介」25.5%、「インターネット」20.7%の順で、OB施主との関係維持がそのまま集客になります。
施主と近隣を守る撮影・投稿ルール|住所特定と表示の注意
| No. | 確認項目 | やること | 防ぐリスク |
|---|---|---|---|
| 1 | 位置情報 | 端末の位置情報の記録を切るか、投稿前に消す。位置情報タグは市区町村まで | 自宅・居場所の特定 |
| 2 | 外観と周辺 | 表札・番地表示・電柱の住所表示・特徴的な隣家や看板・車のナンバーを映さない | 住所の特定 |
| 3 | 施主の同意 | 出演と外観・室内の公開範囲を書面で同意。削除依頼の窓口も決める | 公開範囲をめぐる施主とのトラブル |
| 4 | 近隣への配慮 | 近隣の家や通行人が映り込んだ場面は使わない | 近隣・通行人の映り込み |
| 5 | 公開のタイミング | 入居後の生活リズムが分かる投稿を避ける | 在宅時間・不在の時期の露出 |
| 6 | 施主に投稿を頼む場合 | 謝礼や値引きを伴う依頼は、広告であることを明示してもらう | ステルスマーケティング規制(景品表示法・2023年10月施行) |
工務店のSNSで最も事故が起きやすいのは、施主の家の場所が特定されることです。総務省の「国民のためのサイバーセキュリティサイト」は、スマートフォンで撮った写真には設定により撮影場所の位置情報(GPS情報)が含まれる場合があり、確認せずに掲載すると自宅や居場所が特定される危険があると注意しています。弊社の支援先でも、車のナンバープレートが消されていない写真を投稿し、施主側の指摘で差し替えた例がありました。
撮影・投稿の前に次の6つを確認してください。
1. 位置情報:撮影端末の位置情報の記録を切るか、投稿前に位置情報を消す。投稿の位置情報タグは市区町村までにとどめる 2. 外観と周辺:表札・番地表示・電柱の住所表示・特徴的な隣家や看板・車のナンバーを映さない 3. 施主の同意:施主・家族の出演と、外観・室内の公開範囲を書面で同意をとる。削除依頼の窓口も決める 4. 近隣への配慮:近隣の家や通行人が映り込んだ場面は使わない 5. 公開のタイミング:入居後の生活リズムが分かる投稿(在宅時間・不在の時期)を避ける 6. 施主に投稿をお願いする場合:謝礼や値引きを伴う依頼は、2023年10月施行のステルスマーケティング規制(景品表示法)の対象になりうるため、広告であることを明示してもらう
表示のルールも押さえます。不動産の表示に関する公正競争規約は、規約上の「事業者」を宅建業の免許を受けて宅地建物取引業を営み、公正取引協議会の構成団体に所属する者等と定めています。建築条件付土地や分譲住宅を宅建業者として広告するなら規約の対象です。請負で建てる注文住宅の施工事例であっても、景品表示法の優良誤認表示(実際より著しく優良と示す表示)・有利誤認表示(取引条件を著しく有利と誤認させる表示)の禁止はかかります。「地域No.1」「坪単価◯万円〜」などは根拠と条件を同じ投稿内に示してください。個別の表現の判断は弁護士等にご確認ください。
工務店のSNSは内製か外部か|体制の判断表と依頼前の質問5つ
| 体制 | 費用の目安 | 向く会社 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 内製 | 担当者の人件費(外注費0円) | 撮影・編集・分析まで担える社員がいる会社 | 繁忙期に投稿が止まる。現場写真の確認も社内で完結させる |
| ハイブリッド(撮影は社内・企画と編集を外部) | 動画の本数単価×本数(弊社は1本7,500円(税込)) | 現場担当が週1回スマホで撮れる会社 | 撮影を工程表に組み込めるか |
| 企画から投稿まで代行 | 月5万〜80万円(業務範囲による公開相場) | 広報担当を置けない会社 | 施主情報の最終確認は社内に残す |
運用代行の公開相場はSNS運用代行の費用相場は月5万〜80万円にまとめています。採用目的の代行選びは採用SNS運用代行は「雰囲気」を買わないをご覧ください。外部に頼む場合は、契約前に次の5つを確認してください。
1. 目的別にKPIを置きますか:新築なら見学会予約・資料請求など、フォロワー数だけの報告で終わらないか 2. 予約までの導線を確認しますか:予約ページの不具合や計測漏れを点検する手順があるか 3. 施主の住所特定を防ぐ確認手順はありますか:位置情報・表札・ナンバーを撮影前と編集後の2回確認するか 4. 大工・設計士の出演を前提に設計しますか:素材待ちで投稿が止まらないか 5. 解約・本数変更の条件はどうなっていますか:合わなかったときの損失の上限
まとめ:工務店のSNS戦略は「過程と人」で比べられ方を変える
- 戦略は新築集客・リフォーム・採用・OB紹介の4目的で分け、媒体とKPI(見学会予約・資料請求・問い合わせ・応募・紹介件数)を目的ごとに決める
- 注文住宅の施主は建売とも比べ、ネットと展示場で同率に会社を探す。完成写真だけでは違いが伝わらず、勝てるのは施工の過程・人・地元に合わせた理由
- 投稿より先に、見学会カレンダー・Q&A・予約ページの受け皿と計測を整える
- 位置情報・表札・ナンバーを消し、施主の同意と表示のルールを守る
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よくある質問(FAQ)
Q1. 工務店のSNSで完成写真は載せない方がよいのですか? 載せてかまいません。ただし完成写真だけでは建売やハウスメーカーとの違いが伝わらないため、施工の過程や設計の理由を話す動画と組み合わせてください。
Q2. 工務店のSNSはどの媒体から始めるべきですか? 新築の集客ならInstagramのリール、リフォームの地域集客ならGoogleビジネスプロフィール、職人の採用ならTikTokかInstagramのリール、OB施主との関係維持ならLINE公式アカウントが向きます。最初は目的を1つに絞り、KPIを1つ決めてください。
Q3. 施主宅を撮影するとき、何に一番気をつけるべきですか? 家の場所が特定されないことです。写真の位置情報、表札・番地・電柱の住所表示、車のナンバー、特徴的な隣家を映さず、公開範囲を施主と書面で決めてください。
Q4. フォロワーが少なくても見学会の予約は取れますか? 取れます。KPIはフォロワー数ではなく、プロフィール表示数・リンクのクリック数・見学会予約数です。見学会カレンダーとQ&Aを常設し、予約ページまでスマホで通しで動くかを確認してください。
Q5. 少人数の工務店でもSNSは続けられますか? 続けられます。撮影は現場担当がスマホで行い、企画と編集を外部に任せる分担にすると、社員が少なくても続けやすくなります。
執筆者:林健斗(株式会社HolyTech 代表取締役)/SNS運用代行 累計250社以上 ショート動画を軸に店舗・企業のSNSマーケティングを支援。「顧客のその先へ」をミッションに、企画から分析まで一気通貫の運用代行を提供している。
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この記事を書いた人
林 健斗(はやし けんと)
株式会社HolyTech 代表取締役
2000年生まれ。大学在学中の2020年にSNSマーケティング事業を起業。再現性の高い運用ノウハウで、1人法人ながら34名の業務委託体制を構築し、累計250社以上へ継続率90%超で支援。漢方ヘッドスパで月間1,100万再生、動画編集スクールで初月640万再生など、業種横断で売上直結の成果を量産。「再生数ではなく売上で見る」を信条に、AI検索時代のSNS運用を提唱している。




