動画編集の音楽は「フリー音源なら何でも使える」は誤り|入手先5つの規約比較と納品の作法|HolyTech
動画編集の音楽の入手先5つを、費用・商用利用・クライアント納品・広告利用・クレジット表記・Content IDのリスクで比較。フリー音源でもサイトごとに条件が違う理由と、案件の最初に確認する5項目、入手元URLと規約の控えを添える納品の作法を、副業の動画編集者向けに整理しました。
結論から言います。「フリー音源」の“フリー”は「無料」という意味で、「どの案件にも自由に使える」という意味ではありません。クレジット表記が要るサイトと要らないサイトがあり、企業の宣伝動画には別の手続きが要る音楽もあります。納品後にContent IDの申し立てが来れば、動画のブロックや広告収益の行き先に影響します。案件で信頼されるのは、音源の入手元URLと規約の控えを納品物に添える編集者です。
弊社代表も編集者向けの解説動画で、投稿先で権利のない音源と判断されると音声がセリフごと消えるため、BGMの入れ方は最初にディレクター・クライアントと決めるよう話しています。本記事は、YouTube・企業SNS・広告の案件で使う音楽の入手先と、納品時の権利確認をまとめます。規約は2026年10月19日時点で各公式ページから確認できた範囲で、法的な判断は個別の事情で変わります。
本記事と併せて、LINE登録で動画編集×TikTok運用の特典を受け取ることもできます。
動画編集の音楽の入手先5つを比較|費用・商用・広告・クレジット・Content ID
入手先は大きく5つです。公式ページで確認できた条件を並べます。
| 入手先 | 費用の幅 | 商用利用・クライアント納品 | 広告への使用 | クレジット表記 | Content IDの申し立てリスク | 向く案件 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ①YouTubeオーディオライブラリ | 無料 | YouTube上は収益化も可。YouTube以外での利用は公式ヘルプに明記なし | 明記なし | 曲ごとに異なる(CCライセンスの曲は説明欄に表記) | 申し立てを受けないと公式に明記 | YouTubeだけに出す動画 |
| ②無料のロイヤリティフリー音源サイト | 無料 | サイトの規約しだい(本記事で確認した国内2サイトは商用可) | 規約しだい | サイトごとに違う | 登録を規約で禁じるサイトもあるが、YouTubeは外部音源の問題に責任を負わないと明記 | 企業SNS・YouTubeのBGM全般 |
| ③サブスク型の商用ライセンス音源 | 月額課金(金額は公式の料金ページで確認) | プランしだい(個人向けは対象外の例あり) | プランしだい | 規約で確認 | 使うチャンネルの登録(セーフリスト化)漏れで申し立ての対象になりうる | 企業案件・広告を継続して受ける人 |
| ④作曲家への依頼(オリジナル曲) | 大手スキルマーケットの出品で3曲3,000円〜60秒39,000円(著作権譲渡込み)の幅 | 契約で決める(著作権譲渡・利用範囲) | 契約で決める | 契約で決める | 登録しない取り決めにすれば低い | ブランドの顔になる曲、長く使うBGM |
| ⑤市販曲(JASRAC等の管理楽曲) | 許諾・手続きにより異なる | 作詞・作曲とは別に原盤の許諾が必要 | 宣伝動画は「広告目的複製」の手続きが必要 | 許諾条件による | 原盤の許諾がなければ高い | 権利者から個別に許諾を得た場合のみ |
①の安全性は、YouTubeヘルプで確認できた範囲では「YouTube上」に限った話です。同じ動画をInstagramや広告に回す案件では、この点を前提にします。
③は海外の大手サービスの公式比較表で、個人向けプランは「ビジネス・クライアントワーク」「デジタル広告」が対象外、上位プランは両方を認めています。契約中に公開した動画は解約後も利用でき、解約後に音楽を付けた動画は申し立ての対象になりうるとされています。
⑤は、JASRACの「利用許諾契約を締結しているUGCサービスの一覧」(2026年10月13日更新)にYouTube・Instagram・Facebook・TikTokが掲載されています。ただし処理されるのは作詞・作曲の権利で、市販のCDや配信音源は「著作権とは別に、著作隣接権(音源製作者やアーティストの権利)の許諾を得る必要があります」とJASRACは明記しています。確認時点の一覧にX(旧Twitter)は掲載されていませんでした。TikTokのアプリ内の楽曲と商用音楽ライブラリの扱いはTikTokの音楽の著作権は「包括契約だから安心」ではないで整理しています。
「フリー音源ならどの案件にも使える」は誤り|規約で違う3つの条件
| 条件 | OpenTracks(旧DOVA-SYNDROME) | 魔王魂 |
|---|---|---|
| ① クレジット表記 | 不要 | 必要(YouTubeは動画内か詳細欄に「音楽:魔王魂」など。テレビCMなど表記できない場合は不要) |
| ② 禁止される使い方 | 音源が主なコンテンツの動画の公開/音源の配布・販売/AIの学習への利用 | 生成AIへの学習/ストア販売 |
| ③ 登録の扱い | Content IDなどへの登録を禁止 | JASRAC等への登録を禁止 |
| クライアント納品・広告 | 個別の規定が見当たらない | 個別の規定が見当たらない |
フリーは「無料」であって「何にでも使える」ではありません。国内の無料音源サイト2つの公式規約を見るだけでも、次の3点が違います。
▼このコンセプトの「型」が分かる参考動画(弊社クライアントではない公開アカウント)
・sns分析の例:「最強の料理アカウントみっけた#tiktok攻略 #snsマーケティング #ビジネ」(@shino_market)
https://www.tiktok.com/@shino_market/video/7479035565300567314
・ショート動画分析の例:「バズっている動画やアカウントを引用しながらなぜこの動画がバズっているのか説明する」(@zuborashort)
https://www.tiktok.com/@zuborashort/video/7598123437726518548

①クレジット表記の要否 2026年9月15日付でDOVA-SYNDROMEから名称を変えた「OpenTracks」(2026年10月時点でBGM19,294曲を掲載)の音源利用ライセンスは、「著作権表示・提供等の表示は不要です」としています。一方、「魔王魂」の利用ルールは「著作表記が必要です」と定め、YouTubeでは動画内か詳細欄に「音楽:魔王魂」などと書くよう求めています(テレビCMなど表記ができない場合は不要)。同じ「無料・商用可」でも、表記漏れは規約違反です。
②禁止される使い方 OpenTracksは、音源を主なコンテンツとする動画の公開、音源の配布・販売、AIの学習への利用を禁止しています。魔王魂も、生成AIへの学習やストア販売を禁止しています。「BGMだけを流す作業用動画」や「音源ファイルをクライアントに渡す」形は、規約に触れるおそれがあります。
③Content IDへの登録の扱い OpenTracksは音源をContent IDなどに登録することを、魔王魂はJASRAC等への登録を禁止しています。ただしYouTubeヘルプは、著作権上問題ないと認識しているのはオーディオライブラリの音楽と効果音だけで、ほかの「ロイヤリティフリー」の音楽で起きた問題には責任を負わないと明記しています。
さらに、クライアント納品と広告での利用は、両サイトとも規約に個別の規定が見当たりませんでした。明記がない場合は、規約ページを保存して運営元に問い合わせ、回答の控えを残します。
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実案件発注保証つきスクールの詳細を見る ▶Content IDの申し立てが来たら何が起きるか|納品後に困る3つの場面
Content IDは、権利者が登録した音源・映像とアップロード動画をYouTubeが照合する仕組みです。申し立てを受けると、権利者の設定で次のどれかが起きます(YouTubeヘルプ)。
| 権利者の設定 | 動画に起きること | 案件で困る場面 |
|---|---|---|
| ブロック | 動画が視聴できなくなる(地域ごとに設定できる) | 公開日に合わせて納品した動画が、公開直後に見られなくなる |
| 収益化 | 動画に広告が付き、収益は権利者側へ(パートナープログラム参加者は音楽出版社と分配できる場合あり) | 収益化しているチャンネルの収益が、意図しない相手に入る |
| トラッキング | 視聴はできるが、再生の統計が権利者に記録される | 当面は困らないが、権利者が設定を変えれば上の2つに移る |
申し立ては「著作権侵害の警告」とは異なり、通常は動画だけに影響します。一方、異議申し立ては使う権利をすべて持っていると確信できる場合に行うもので、YouTubeは仲裁をしません。つまり、入手元と規約の控えがなければ、異議を出す根拠を示せません。削除・ミュート・差し替えで解決する方法もあります。
困る場面は、別の媒体への転用、広告への転用、サブスク型の音源を解約したあとの追加修正です。どれも最初に「どこに・何に使う動画か」を聞いていれば避けられます。発注側と制作側で権利をどう分けるかは動画制作の著作権は「お金を払えば発注側のもの」ではないで扱っています。
案件の音楽で迷わない選び方|最初に聞く5つの質問
1本2,000〜3,000円
1分100円を想定
固定11,000円
トライアル500円→継続後700円〜(税込)
→ 媒体・アカウント・BGMの入れ方・指定曲・控えの添付の5つを最初に聞く
大手クラウドソーシングで2026年5〜7月に掲載された動画編集の公開募集(いずれも募集終了)のうち、作業範囲にBGMを含む4件を見ると、次のとおりでした。
- 10分前後のYouTube動画:1本2,000〜3,000円(応募7人・契約1人)
- 10〜20分の動画:1分100円を想定(応募5人・契約1人)
- 40〜90秒のショート:固定11,000円(応募47人・契約0人)
- 1〜2分のSNS向けショート:トライアル500円(税込)→継続後700円(税込)〜(応募21人・契約2人)
単価は案件・時期で差があります。共通点は、4件ともBGMの著作権や音源の指定がなく、選定を誰がするかも明記がなかったことです。最初のやり取りで次の5つを聞きます。
1. この動画は、どの媒体に、通常投稿と広告のどちらで出しますか?(広告も含むなら広告利用が明記された音源を選ぶ) 2. 投稿するのは個人のアカウントですか、企業のアカウントですか?(企業の宣伝動画は、市販曲なら「広告目的複製」の手続きが必要。TikTokのビジネスアカウントは選べる音源が限られる) 3. BGMは編集で焼き込みますか、投稿時にアプリで付けますか?(複数の媒体に出すなら、BGMなしの書き出しも残す) 4. 使ってほしい曲、使ってほしくない曲の指定はありますか?(参考動画の曲はアプリ内の音源で、持ち出せないことがある) 5. 音源の入手元と規約の控えは、納品物に添えてよいですか?(後から転用するときの確認材料になる)
代表も解説動画で、テロップのデザインやBGMは事前に先方の承諾を得てから1本目を作ると手戻りが減ると話しています。工程ごとの単価の相場はショート動画編集の副業単価は「尺」で決まらないで整理しています。
動画編集の音楽で現場に起きた4つのこと|信頼される納品の作法
弊社の運用現場で実際にあった音楽のやり取りです(業種のみ記載)。
| 場面 | 起きたこと | 対処 |
|---|---|---|
| 美容系インフルエンサーの1本目 | 参考動画のBGMがInstagramのアプリ内の音源とみられ、編集で使えなかった | 選んだBGMを付けた版とBGMなしの版の2本を出し、音源の入れ方をすり合わせた |
| 広告運用を発信する個人事業主の動画 | 完成動画をTikTok以外にXやInstagramにも投稿したいと要望があった | 媒体ごとに使える音源やトレンドが違うため、BGMなしで納品し、投稿時に各媒体で選んでもらう形にした |
| 漢方ヘッドスパ専門スパの動画 | 「以前の似た動画とBGMが違う」「フリー素材の透かしが残っている」と指摘された/別の店舗のBGMのまま書き出した回があった | シリーズのBGMを記録し、透かしと音源を書き出し前に確認する工程を入れた |
| 企業のYouTubeチャンネル | 会社のイメージに合うBGMが必要になった | ホームページのイメージに合わせて、冒頭・導入・本編・まとめなど構成ごとに5種類のBGMを社内で用意した |
どの例も、原因は曲の良し悪しではなく、「どこで手に入れた音源を、どこに出すか」の共有不足です。この教訓から、納品時には次の情報を添えるのがおすすめです。
- 曲名(またはファイル名)と使用した秒数
- 入手元のURLと、ダウンロードした日付
- その時点の規約ページの控え(PDFやスクリーンショット)と、クレジット表記の要否
- 想定した用途(媒体・通常投稿か広告か)
- BGMなしの書き出しデータの有無
この5行があれば、クライアントは転用のたびに確認する必要がなく、申し立てが来ても根拠を示せます。修正が出にくい納品の作法は動画編集のコツは「派手な演出」ではないでもまとめています。
まとめ:動画編集の音楽は「入手元と用途」をセットで管理する
- フリー音源の“フリー”は「無料」の意味。クレジット表記の要否、禁止される使い方、Content IDへの登録の扱いはサイトごとに違う
- YouTubeオーディオライブラリの「申し立てなし」はYouTube上の話。YouTube以外での条件は公式ヘルプに明記がない
- サブスク型の音源はプランで「クライアント納品」「広告」の可否が分かれる。市販曲は原盤の許諾と、宣伝動画なら「広告目的複製」の手続きが必要
- 公開募集に音源の指定はほぼない。媒体・アカウント・BGMの入れ方・指定曲・控えの添付の5つを最初に聞く
- 納品物に入手元URLと規約の控えを添える編集者は、転用や申し立てのたびに頼られる
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よくある質問(FAQ)
Q1. 動画編集の案件で、いちばん安全な音楽の入手先はどこですか? YouTubeだけに出す動画なら、YouTubeオーディオライブラリです。ダウンロードした音楽はContent IDの申し立てを受けないと公式ヘルプに明記されています。クリエイティブ・コモンズの曲は説明欄へのクレジット表記が必要です。
Q2. 無料のBGMサイトの曲を企業の広告に使ってもよいですか? 規約しだいです。商用可でも広告や受託制作の規定がないサイトがあります。明記がなければ運営元に問い合わせ、規約と回答の控えを残してから使ってください。
Q3. Content IDの申し立てが来たら、チャンネルに警告が付きますか? YouTubeヘルプでは、申し立ては警告とは異なり、通常は動画だけに影響すると説明されています。ただし動画のブロックや収益の移動は起きます。権利を確信できる場合に限り、入手元と規約の控えを根拠に異議を申し立てます。
Q4. 作曲家に頼んだオリジナル曲なら、どこにでも使えますか? 契約しだいです。著作権の譲渡、使える媒体と期間、広告への使用、Content IDなどに登録しないことを、依頼前に書面で決めておきます。
Q5. 音楽の権利が分かると、副業の単価は上がりますか? 音楽の判断は必要な知識の1つですが、それだけで単価は決まりません。企画・分析まで担えると任される範囲が広がります。成果には個人差があり、収入を保証するものではありません。
著者:林健斗(株式会社HolyTech 代表取締役) SNS運用代行 累計250社以上。時給600円の動画編集から運用代行(時給5,600円)に移った経験と、企業アカウントの音源・権利の判断を含むショート動画運用の現場をもとに、副業で動画編集に取り組む人に向けて発信している。
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この記事を書いた人
林 健斗(はやし けんと)
株式会社HolyTech 代表取締役
2000年生まれ。大学在学中の2020年にSNSマーケティング事業を起業。再現性の高い運用ノウハウで、1人法人ながら34名の業務委託体制を構築し、累計250社以上へ継続率90%超で支援。漢方ヘッドスパで月間1,100万再生、動画編集スクールで初月640万再生など、業種横断で売上直結の成果を量産。「再生数ではなく売上で見る」を信条に、AI検索時代のSNS運用を提唱している。



