動画編集の初心者の単価は「数をこなせば上がる」は誤り|実績別の相場と上げる条件|HolyTech
動画編集の初心者の単価を、2026年4〜7月のクラウドソーシング公開募集の幅で実績の段階別に整理。トライアル200〜1,000円から1本5,500円まで上がる条件、時給換算、安く受けすぎる失敗3パターン、フリーランス法と確定申告20万円の基準まで受注側の目線でまとめました。
結論から言います。動画編集の初心者の単価は「安くしないと取れない」わけではありません。最初の1〜3本は「実績を作る価格」で受け、4本目からは「作業時間から逆算した価格」に切り替えます。切り替えの基準は本数ではなく「修正なしで納品できた回数」です。
大手クラウドソーシングで「初心者歓迎」と書かれた動画編集の募集を見ると、トライアルは1本200〜1,000円です。一方で、同じ初心者歓迎の募集の中に「一発OKや正確性・スピードに応じて段階的に昇給し、上限1本5,500円(税込)」と書かれたものがあります。問題は入口の単価ではなく、上がる条件を知らずに本数だけ増やすことです。
実績0〜10本前後の初心者に向けて、段階ごとの単価の幅・時給換算・上げ方を整理します。動画編集全体の単価相場は動画編集の副業の単価相場と月5万円ロードマップで扱っています。単価は2026年10月15日時点で確認できた公開募集(いずれも募集終了)の金額です。
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動画編集の初心者の単価|実績の段階別の相場と時給換算(2026年10月時点)
出典:大手クラウドソーシングの公開募集(2026年4〜7月掲載・募集終了)
時給換算は、大手クラウドソーシングの公式ヘルプにある受注者のシステム利用料(契約金額のうち10万円以下の部分は20%)を引いた試算です。初心者の作業時間は、ショート(1分以内)を1本1時間、10〜20分の長尺を1本3時間(募集文の目安「2〜3時間」の上限側)と置いています。
| 実績の段階 | 公開募集で確認できた単価 | 時給換算(手数料20%後・試算) | 次の段階へ上がる条件 |
|---|---|---|---|
| 実績0本(トライアル・テスト) | 1本200〜1,000円(長尺の冒頭3分のテスト200円(税抜)、ショートのトライアル300円・1,000円、10〜20分の解説動画のテスト500円(税別)) | 約130〜800円 | 指示どおりに納品し、本採用に進む |
| 実績1〜3本(本採用の直後) | 1本500〜2,000円(ショート500円〜・2,000円〜、10〜20分の解説動画1,000円(税別)) | 約270〜1,600円 | 納期どおりに納品し、修正の指摘を次の本で繰り返さない |
| 実績4〜10本 | 長尺のフル編集1本2,000円(税抜)〜。「5〜10本納品で修正が減っていれば単価アップ」と明記した募集あり | 約530円〜(長尺3時間の場合) | 修正なしで納品できた回数を、発注者に数字で示せる |
| 継続先あり(10本超) | 10〜20分の解説動画で最大5,500円(税込)、30〜60分の素材で「素材尺×400円〜」 | 5,500円で約1,470円(3時間)〜2,200円(2時間) | 工程を1つ足すか、実績を持って別の発注者に乗り換える |
出典:大手クラウドソーシングの公開募集(2026年4〜7月掲載・募集終了)。作業時間は前提を置いた試算で、案件・習熟度で差があります。
表から読み取れることは2つです。
1つ目は、実績0本と継続先ありの差は、同じ募集の中で最大11倍(税別・税込の表示の違いを含む)あることです。10〜20分の解説動画の募集は、テスト500円(税別)→本契約1,000円(税別)→最大5,500円(税込)と、1つの募集文の中に段階が書かれていました。
2つ目は、トライアルの時給は数百円になりやすいことです。500円のテストに3時間かかれば、手数料を引いた時給は約130円です。この段階は「実績を作る時間」と割り切り、早く次の段階に進みます。
ショートのトライアル300円の募集は応募24人に対して契約2人、1分ショートの1,650円の募集は応募22人に対して契約1人でした。入口の単価を下げても、契約が取れるとは限りません。
単価を切り替える基準は「本数」ではなく「修正なしで納品できた回数」
入口の単価が低い理由は、発注者側の事情にあります。弊社代表は、100名以上の動画編集者を採用してきた経験をもとにした解説動画で、「最初から高い単価で発注するのはNG」と話しています。最初の数本は、発注者に教育とやり取りの手間(コミュニケーションコスト)がかかるからです。
▼このコンセプトの「型」が分かる参考動画(弊社クライアントではない公開アカウント)
・webマーケターの例:「新しい情報であると冒頭で伝えることで「乗り遅れたくない」という人の心理を刺激する」(@osaru_tiktok1)
https://www.tiktok.com/@osaru_tiktok1/video/7578889104125889799
・ヘアセットの例:「初めに内面・外面の両面からヒアリングを行い、それを基にヘアカット・メイクなどの施」(@himipoh)

裏を返すと、単価は発注者の手間が減った時点で上げる根拠が生まれます。手間を最も分かりやすく表すのが、修正の回数です。公開募集の昇給条件も、本数そのものではなく手間の少なさで書かれています。
- 10〜20分の解説動画の募集:「一発OK」や作業の正確性・スピードに応じて段階的に昇給(上限1本5,500円(税込))
- 長尺のビジネス系動画の募集:「5〜10本納品で修正が減っていれば単価アップ」が目安
毎回修正が入った10本と、後半5本が修正なしの10本では、発注者の手間がまったく違います。
弊社の発注も同じ考え方です。代表が解説動画で公開している発注設計の例では、最初の10本は1本2,000円、11〜100本目は2,500円、それ以降は3,000円と、上がる段階を契約時に明示しています(動画公開時点の例)。「段階が明示されていれば、最初の単価が低くても良い編集者は来る」というのが発注側の本音です。
そこで、初心者は次の2つを並行して進めます。
1. 納品ごとに「修正の回数」を記録する:何本目で修正0回になったか、指摘の内容を一覧にします。単価の相談で「直近5本は修正0回です」と数字で示せます。 2. 4本目からは時給から逆算した単価を出す:記録した作業時間を使い、目標時給から単価を出します。逆算の式は動画編集の単価の決め方は「相場」から始めないで整理しています。
受ける前には次の5つを聞きます。
1. 何本目で、どんな条件を満たせば単価が上がりますか 2. 修正は何回までこの単価に含まれますか。「大幅な修正」の扱いは決まっていますか 3. 納期は素材を受け取ってから何日ですか 4. トライアル・テストは有償ですか。金額と支払いの時期はいつですか 5. 作業範囲はどこまでですか(カット・テロップ・BGM・サムネイルのどれを含むか)
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入口の単価が低いことより危ないのは、低い単価に「条件の悪さ」が重なることです。
| 失敗パターン | 起きること | 受ける前の確認 | 確認できた根拠 |
|---|---|---|---|
| 修正の回数が決まっていない | 1本の作業時間が2倍・3倍に伸び、時給が数百円から100円台まで下がる | 修正の回数と「大幅な修正」の扱いを文字で受け取る | 公開募集に「複数回の修正があることをご了承ください」の記載例 |
| 納期が短すぎる | 品質が落ちて修正が増え、修正なしの実績が作れない | 素材の受け取りから納品までの日数を確認する | テストの提出期限を「素材受け取りから2日後の正午」とする募集例 |
| テストが低額・無償 | 長い作業をしても数百円、または支払いがない | 有償か、金額と支払い時期を確認する | 長尺の冒頭3分を編集するテストで200円(税抜)・修正完了後に支払いの募集例 |
修正については、弊社代表もクライアントワークの解説動画で、修正に費用がかかるなら「大幅な修正」を定義し、金額を事前に伝えて合意してから受けるべきで、事前に決めていない修正費用は請求しない前提で進めるべきだと話しています。受注側も、最初に修正の範囲を決めることが時給を守ります。
取引条件は文字で受け取ります。2024年11月1日に施行されたフリーランス法について、公正取引委員会の特設サイトでは、発注事業者は業務を委託した場合、直ちに書面または電磁的方法(メール、SNSのメッセージ等)で取引条件を明示する義務があり、口頭での明示は認められないと案内されています。明示する事項には、給付の内容・報酬の額・支払期日などが含まれます。
また、1か月以上の業務を委託した場合は、費用を負担せずに注文内容を変更したり、受け取った後にやり直しをさせたりすることなど、7つの行為が禁止されていると案内されています。個別の案件が該当するかは、特設サイトや相談窓口で確認してください。
「1本500円でも数をこなせば単価は自然に上がる」は誤り|上がるルートは2つだけ
「初心者は1本500円でも、数をこなせば単価は自然に上がる」と考える人は多いはずです。実際には、単価は自然には上がりません。同じ発注者に工程を1つ足す提案をするか、実績3本で別の発注者に乗り換えるか、どちらかの行動で上がります。
本数を増やしても時給は変わりません。1本500円・作業1時間の案件を月20本受けると、手数料を引いて月8,000円・時給400円です。月40本に増やしても月16,000円で、時給は400円のままです。弊社代表も、最初は簡単な動画編集を大量に回し、睡眠2時間で時給600円程度まで落ちた時期がありました。
| 比べる軸 | ルート1:同じ発注者に工程を1つ足す | ルート2:実績3本で別の発注者に乗り換える |
|---|---|---|
| 向く状況 | 継続の本数が安定し、修正がほぼない | 今の発注者に昇給の条件がない・単価が3か月変わらない |
| 準備するもの | 足す工程のサンプル1本(例:カットの次にテロップ) | 納品した3本のポートフォリオと、修正0回の記録 |
| 公開募集での上がり方の例 | カットのみ1本1,000円の募集に「品質に問題なければテロップも依頼し単価アップ」の記載 | トライアル1本1,000円→本採用1本2,000円〜のショートの募集(初心者歓迎) |
| 注意点 | 足した工程で修正が増えると、かえって評価が下がる | 新しい発注者では再びトライアルから始まる場合がある |
出典:大手クラウドソーシングの公開募集(2025年12月〜2026年5月掲載・募集終了)。
ルート1で最初に足す工程は、発注者の手間がそのまま減るテロップです。カットのみの単価と工程の足し方は動画編集のカットのみの単価は「動画の長さ」で決まらない、ショート動画の工程別の単価はショート動画編集の副業単価は「尺」で決まらないで整理しています。
ルート2の「3本」は、ポートフォリオとして見せられる最小の本数です。弊社が編集者を採用するときも、まずポートフォリオを確認します。
初心者の単価と手取り|手数料と確定申告20万円の基準
| 単価 × 本数(12か月) | 年間の報酬 | 手数料20%後 | 20万円の基準 |
|---|---|---|---|
| 1本1,000円 × 月20本 | 24万円 | 19.2万円 | 20万円以下 |
| 1本2,000円 × 月20本 | 48万円 | 38.4万円 | 20万円を超える |
出典:国税庁タックスアンサー、大手クラウドソーシング公式ヘルプ
単価は手取りで考えます。大手クラウドソーシングでは、受注者のシステム利用料は契約金額のうち10万円以下の部分が20%です。募集によって「税込・手数料込」「税別」と表示がそろっていないため、受ける前に何を含んだ金額かを確認します。
会社員の副業なら、国税庁のタックスアンサーでは、給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象となる人は、給与所得・退職所得以外の各種の所得金額の合計額が20万円を超えると確定申告が必要です。所得は報酬から手数料・ソフト代などの経費を引いた額です。
- 1本1,000円×月20本を12か月続けると報酬は24万円、手数料20%を引くと19.2万円で、ほかに副業がなければ20万円以下です
- 単価を1本2,000円に上げて同じ月20本なら報酬は48万円、手数料を引いて38.4万円で、20万円を超えます
単価を上げる段階に入ったら、報酬と経費の記録を始めてください。住民税の申告は別の扱いのため、お住まいの市区町村の案内で確認してください。
まとめ:動画編集の初心者の単価は「修正なしの納品」を積んで、行動で上げる
- 初心者歓迎の公開募集は、トライアル1本200〜1,000円、本採用直後で500〜2,000円、継続先ありで最大5,500円(税込)まで幅がある
- 最初の1〜3本は「実績を作る価格」、4本目からは「作業時間から逆算した価格」に切り替える
- 切り替えの基準は本数ではなく、修正なしで納品できた回数。公開募集の昇給条件も「一発OK」「修正が減っていれば」と書かれている
- 修正無制限・短納期・低額テストが重なる案件は避け、取引条件は文字で受け取る
- 単価は自然には上がらない。同じ発注者に工程を1つ足すか、実績3本で別の発注者に乗り換える
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よくある質問(FAQ)
Q1. 動画編集の初心者の単価は、1本いくらが相場ですか? 大手クラウドソーシングの初心者歓迎の公開募集(2026年4〜7月)では、トライアルが1本200〜1,000円、本採用の直後が500〜2,000円でした。同じ募集の中で、継続すると最大1本5,500円(税込)まで上がると明記された例もあります。
Q2. 実績がない初心者は、単価を下げないと案件を取れませんか? 下げれば取れるとは限りません。トライアル300円の募集でも応募24人に対して契約は2人でした。単価より、納期と指示どおりの納品を示すサンプルを用意するほうが効果的です。
Q3. 何本目から単価アップを相談してよいですか? 目安は4本目以降です。ただし基準は本数ではなく、修正なしで納品できた回数です。「直近◯本は修正0回」と数字で示せる時点で相談します。
Q4. テスト案件は無償でも受けたほうがよいですか? 有償かどうか、金額と支払い時期を先に確認してください。公開募集では、テストも200〜1,000円の有償で設定されていました。条件はメッセージなど文字で残します。
Q5. スクールに入れば、初心者でも高い単価で受けられますか? 受講だけで単価や収入は決まりません。総額・添削の本数・受講後の案件と単価・解約条件を書面で確認してください。弊社の講座も有料で、成果には個人差があり、収入を保証するものではありません。
著者:林健斗(株式会社HolyTech 代表取締役) SNS運用代行 累計250社以上。時給600円の動画編集から運用代行(時給5,600円)に移った経験と、100名以上の動画編集者の採用・育成の現場をもとに、副業で動画編集に取り組む人に向けて発信している。
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この記事を書いた人
林 健斗(はやし けんと)
株式会社HolyTech 代表取締役
2000年生まれ。大学在学中の2020年にSNSマーケティング事業を起業。再現性の高い運用ノウハウで、1人法人ながら34名の業務委託体制を構築し、累計250社以上へ継続率90%超で支援。漢方ヘッドスパで月間1,100万再生、動画編集スクールで初月640万再生など、業種横断で売上直結の成果を量産。「再生数ではなく売上で見る」を信条に、AI検索時代のSNS運用を提唱している。



