医療映像制作は制作会社の医療実績より「確認フロー」で選ぶ|禁止表現・限定解除・用途別費用
医療映像制作を外注するクリニック・歯科・病院向けに、厚労省の医療広告等ガイドライン(2026年4月施行)の禁止表現と限定解除4要件、HP・院内・SNS・採用の用途別の規制の当たり方と費用の幅、制作会社の選定基準を整理します。
結論から言います。医療映像制作で危険なのは「医療の実績がない制作会社」ではなく、「ガイドラインを誰がいつ照合するか」が決まっていない制作です。制作会社の医療実績は安全の証明になりません。判断基準は、確認フローの有無です。
医療実績を掲げる会社でも、患者の声を映像に入れたり、術前術後の映像に費用とリスクを付けなかったりすれば、厚生労働省が事例解説書で「違反」と示す形そのものです。反対に、医療案件が初めての会社でも、台本段階で該当条項を照合し、医療機関側の確認を通す手順があれば、公開できる動画になります。
本記事は、2026年3月30日改正・4月1日施行の「医療広告等ガイドライン」と、同時に第6版へ改訂された「医療広告規制におけるウェブサイト等の事例解説書」を一次資料に、用途別の規制の当たり方、使えない表現、限定解除4要件、用途別費用と制作会社の選定基準を整理します。SNS運用代行 累計250社以上の株式会社HolyTechが、クリニックの運用実績を業種属性化して引用します。具体的な支援の流れは低価格特化のショート動画制作サービスの詳細をご覧ください。
本記事は法的助言ではありません。表現の最終判断は所管の自治体窓口や顧問弁護士に確認する前提で、「制作前に医療機関側で確認する項目」としてお読みください。
本記事と併せて、『ショート動画の教科書』を資料ダウンロード(無料)もご活用ください。
医療映像制作の前提|「医療広告」に当たる動画と当たらない動画
ガイドラインは、①患者の受診等を誘引する意図(誘引性)②医療機関の名称等が特定できること(特定性)③医業・歯科医業や病院・診療所に関する内容、の3要件をすべて満たす表示を「医療広告」として規制します。用途別に当てはめます。
| 用途 | ガイドライン上の位置づけ(2026年9月確認) | 制作時の含意 |
|---|---|---|
| HP埋め込み(院紹介・施術説明) | 医療機関のウェブサイトは規制対象。限定解除の要件を満たせば広告可能事項以外も掲載できる | 限定解除4要件を動画内か概要欄で満たす |
| SNS縦型ショート | 事例解説書 第2章で、プロフィール・投稿・返信・ハッシュタグ・動画内の映像や音声も医療広告に相当すると明記 | キャプション・概要欄・固定コメントまで確認対象 |
| 院内サイネージ(待合室ループ) | 施設内の掲示・配布物は受け手が既受診の患者に限られ、誘引性を満たさず「情報提供や広報」と解される | HPやSNSに転用した瞬間に医療広告になる |
| 採用動画(求人) | 職員採用を目的とした求人広告は受診を誘引しないため、対象となる広告ではない | 中で治療効果や患者の感想を語ると扱いが変わる。切り分けて作る |
規制の対象者は「何人も」で、医師や医療機関だけでなく広告代理店・アフィリエイター・一般人まで対象です。制作会社も運用代行会社も対象者です。もう1つは、個人のSNSや口コミサイトへの体験談も、医療機関が費用負担等の便宜を図って掲載を依頼していれば誘引性ありとして広告に該当する点です。インフルエンサーの施術体験投稿は、依頼と対価の有無で扱いが変わります。外注を検討する場合はショート動画運用代行サービスの詳細(初期費用0円・1本無料お試し)も参考にしてください。
用途別の発注先の切り分けは映像制作会社は大手なら安心、は誤り|案件別の発注先分岐と費用構造で整理しています。
医療映像制作で使えない表現|厚労省が示す禁止類型と動画特有の落とし穴
ガイドラインは虚偽広告を罰則付きで禁じ、比較優良広告・誇大広告・公序良俗に反する広告・体験談の広告・誤認させるおそれがある術前術後の写真等の広告を禁止しています。動画で引っかかりやすい表現は次の通りです。
▼このコンセプトの「型」が分かる参考動画(弊社クライアントではない公開アカウント)
・インフルエンサーの例:「収入をリアルに公開することで、多くの人の興味をひける。 色々な角度からのコメント」(@decopin222)
https://www.tiktok.com/@decopin222/video/7543164145441475848
・webマーケターの例:「新しい情報であると冒頭で伝えることで「乗り遅れたくない」という人の心理を刺激する」(@osaru_tiktok1)
https://www.tiktok.com/@osaru_tiktok1/video/7578889104125889799

| 表現の例 | 類型 | 動画で起きやすい形 |
|---|---|---|
| 「絶対安全な手術です」「必ず成功します」 | 虚偽広告(医学上あり得ない) | 院長インタビューの一言、強調テロップ |
| 効果があるように見せる加工・修正をした術前術後の写真 | 虚偽広告 | 明るさ・角度・肌補正を変える編集 |
| 「比較的安全な手術です」 | 誇大広告(何と比較して安全か不明) | ナレーションの言い回し |
| 「日本一の実績」「県内一の医師数」 | 比較優良広告(最上級表現) | サムネイル・タイトル |
| 患者や家族の感想 | 体験談の広告(省令で禁止) | 患者インタビュー、モニターの「痛くなかった」等の音声 |
| 説明のない術前術後の映像 | ビフォーアフター(省令で禁止) | 「比べれば効果は歴然」型の対比カット |
体験談について事例解説書は、動画の事例(第5版(42)・第6版(46))で「動画内の映像や音声であっても、治療内容または効果に関する体験談が紹介されていれば違反となる」と解説しています。文字で書かなければ大丈夫、ではありません。モニターの「寝ているだけで終わった」という発話を残せば、それが体験談です。
ビフォーアフターについて、動画の事例(第5版(43)・第6版(47))は、写真のみで説明が一切ない場合と、説明はあるが治療内容・費用、主なリスク・副作用の説明が不足している、または自院HP等の別リンク先で記載されている場合を違反に挙げます。「詳細はホームページをご覧ください」で済ませた対比映像は、説明が付いていない扱いです。
2026年3月30日の第6版改訂では、動画の章に「費用を強調した広告」(事例(48))が新たに加わりました。「○円〜」を大きく見せる価格訴求型のショート動画は、確認項目が1つ増えています。
限定解除の4要件と、動画で満たすための3つの置き方
→ 分かりやすい情報提供として例示
→ 分かりやすい情報提供として例示
→ HP誘導は3項目を書いたうえでの補足に限る
ガイドライン第3-3は、次の4つをすべて満たした場合に広告可能事項の限定を解除するとしています(③④は自由診療について情報提供する場合に限る)。
1. 医療に関する適切な選択に資する情報であって、患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトその他これに準じる広告であること 2. 表示される情報の内容について、患者等が容易に照会できるよう、問い合わせ先を記載することその他の方法により明示すること 3. 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供すること 4. 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること
①には注意があります。費用を払って表示させるリスティング広告やバナー広告は①を満たしません。同じ動画でも、オーガニック投稿か広告配信かで限定解除が使えるかが変わります。
動画で③④を満たす置き方について、事例解説書は「一体的かつ一覧性をもった情報提供」を求めています。制作の手順に落とすと次の3つです。
- 動画内に置く:施術説明の直後に、治療内容・費用・リスク副作用の3項目を1画面で読める秒数だけ表示する(分かりやすい情報提供として例示)
- 概要欄に置く:「3項目は概要欄に記載」と動画内で告げ、概要欄の冒頭に一覧で書く(同上)
- 「詳細は当院HPへ」だけ:別リンク先での記載は説明不足として、分かりにくい情報提供の例に挙げられている。HP誘導は3項目を書いたうえでの補足に限る
なお、限定解除は体験談の禁止を解除する仕組みではありません。術前術後の写真等は詳細な説明を付せば「誤認させるおそれがある写真等」に当たらないとされますが、体験談は説明を付けても認められません。
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医療映像制作の用途別費用|1本の大作か、月10本の短尺か
制作会社ブログ
比較サイト
両者で一致
1本あたり
月3〜5本
月10本以上・企画〜分析込み
費用は用途で決まります。民間の制作会社・比較サイトが公表する幅を並べました。監修の有無・出演者数・CGの量で上下します。
| 用途 | 費用の幅(民間公表値・2026年9月確認) |
|---|---|
| HP埋め込みの院紹介(1〜3分) | 15万〜50万円(制作会社ブログ)/30万〜80万円(比較サイト) |
| 院内サイネージ(待合室ループ) | 40万〜60万円(両者で一致) |
| 施術説明(CG・医療監修あり) | 30万〜150万円以上 |
| SNSショート(単発/月額) | 1本3万〜10万円/月3〜5本で5万〜15万円 |
| 弊社ショート動画運用代行 | 1本7,500円(税込)・月10本以上・企画〜分析込み |
採用動画は求人広告として対象外のため、一般的な相場が当てはまります。種類別の料金は採用動画制作の費用相場と失敗しない発注手順|種類別の料金と選び方にまとめています。
問いたいのは、40万〜60万円の院紹介動画1本と、同額で作れる短尺50本以上のどちらが患者の意思決定に効くかです。弊社の実績を2つ挙げます。
美容クリニックの支援では、当初のアカウントに術前術後の写真は並んでいたものの、施術名だけで「何がどう違うのか」「料金は」「リスクは」が伝わらない状態でした。再設計後は、各施術について術前術後・術式の解説・料金・ダウンタイム等のリスク・適応する患者像・術式比較を1投稿に収めるテンプレートに切り替えています。限定解除の③④をそのままコンテンツの型にした形です。リールは手術中の様子や医師の解説で疑似体験、フィードで教育、ピン留めで予約導線という役割分担にしています。
地域歯科クリニック(小児矯正)の支援では、症例紹介にどこが変わったかを示す注釈を入れ、矯正メソッドの解説・院長紹介を体系的に配置し、同じ投稿を地域セグメントのInstagram広告にも流用しました。Googleビジネスプロフィールの口コミ94件・評価4.9と組み合わせ、検索から無料相談予約までの動線を完結させています(業種・商圏で差があります)。症例写真への注釈は効果を誇張する加工とは目的が異なりますが、この線引きも制作前に医療機関側で確認してください。
商談でも、自由診療クリニックの院長から「症例写真をオープンにできないところがSNSの難しさ」という声が出ます。正体は「出せない」ではなく「出すための説明を付けていない」ことです。単発と継続の損益分岐は動画制作の費用相場と流れ|単発と継続の使い分けを250社実測で解説で扱っています。
医療案件の制作会社選定基準|医療実績ではなく確認フローの有無
危険信号:撮影後に「NGがあれば直します」
危険信号:「詳細はHPへ」で済ませる構成
危険信号:「患者様の声」を企画の柱にする
危険信号:動画本体だけ納品して終わり
危険信号:公開後の責任分担が無い
「医療案件の実績」は参考情報に留めてください。判断すべきは、ガイドラインの照合が制作工程のどこに組み込まれているかです。契約前に次の5点を書面かサンプルで確認します。
| # | 確認項目 | 合格の目安 | 危険信号 |
|---|---|---|---|
| 1 | 台本段階の照合 | 台本に該当類型の欄があり、禁止表現を出さない設計 | 撮影後に「NGがあれば直します」 |
| 2 | 限定解除項目の組み込み | 自由診療の動画は3項目の置き場所(動画内か概要欄か)が構成案にある | 「詳細はHPへ」で済ませる構成 |
| 3 | 出演者の切り分け | 患者出演時に体験談に当たる発話を使わない編集方針と同意手順がある | 「患者様の声」を企画の柱にする |
| 4 | 周辺テキストの確認範囲 | タイトル・サムネ・キャプション・概要欄・固定コメント・ハッシュタグまで含む | 動画本体だけ納品して終わり |
| 5 | 公開後の対応 | 指摘時の修正・差し替え条件と費用が契約書にある | 公開後の責任分担が無い |
5番は見落とされがちです。厚生労働省はネットパトロール(医業等に係るウェブサイトの調査・監視体制強化事業)を実施しており、事例解説書はその蓄積事例から作られています。指摘は起こり得る前提で、誰が何日以内に直すかを決めておいてください。
医療機関側でも制作前に、動画の用途(HP・SNS・院内・採用)、保険診療か自由診療か、患者・モニター出演の有無と発話の扱い、表現の可否を確認する先と日数、の4点を決めます。これが決まっていれば、制作会社が医療専門かどうかは決め手になりません。依頼前チェックの一般形は動画制作会社の選び方と費用相場|依頼前チェックリスト付きにあります。
まとめ:医療映像制作は「確認フロー」と「用途」で決める
- 医療広告等ガイドラインは2026年3月30日改正・4月1日施行。事例解説書は第6版に改訂され、動画の章に「費用を強調した広告」が加わった
- HP・SNSは規制対象、院内サイネージは誘引性なし、採用動画は求人広告として対象外。ただし転用や内容次第で扱いが変わる
- 動画で違反になりやすいのは、映像や音声に残る患者の体験談と、説明のない術前術後の対比。「詳細はHPへ」は説明不足
- 自由診療は治療内容・費用・リスク副作用を動画内か概要欄に一体的に置いて限定解除の要件を満たす
- 制作会社は医療実績ではなく、台本照合・限定解除項目・出演者の切り分け・周辺テキスト・公開後対応の5点で選ぶ
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よくある質問(FAQ)
Q1. 医療映像制作は、医療専門の制作会社に頼まないと違反になりますか? なりません。違反かどうかは動画の表現で決まり、制作会社の業歴では決まりません。台本段階で該当類型を照合し、医療機関側の確認を通す手順があるかを見てください。
Q2. 院内の待合室で流す動画にもガイドラインは適用されますか? 施設内の掲示や配布物は、受け手が既受診の患者に限られるため誘引性を満たさず、情報提供や広報と解されています。ただし同じ動画をHPやSNSに転用すると医療広告になります。転用予定があるなら最初から広告基準で作ってください。
Q3. 患者さんに出演してもらう動画は作れますか? 出演自体は禁止されていません。禁止は、患者の主観に基づく治療内容や効果の体験談です。事例解説書は、動画内の映像や音声であっても体験談が紹介されていれば違反になると解説しています。治療の感想を語らせず、院内の雰囲気や流れを見せる構成に切り分けます。
Q4. ビフォーアフターは動画でも出せますか? 術前術後の写真等は原則として広告できませんが、治療内容・費用等と主なリスク・副作用等の詳細な説明を付した場合は、誤認させるおそれがある写真等に当たらないとされています。動画内か概要欄に一体的に記載し、「詳細は当院HPへ」だけでは説明不足と扱われます。
Q5. 採用動画なら何を言っても大丈夫ですか? 職員の採用を目的とした求人広告は受診を誘引しないため、ガイドラインの対象となる広告ではありません。ただし中で治療効果や患者の感想を語ると扱いが変わり得ます。採用動画は職場・人・条件に絞り、施術の説明は別の動画に分けてください。
執筆者:林健斗(株式会社HolyTech 代表取締役)/SNS運用代行 累計250社以上 ショート動画を軸に店舗・企業のSNSマーケティングを支援。「顧客のその先へ」をミッションに、企画から分析まで一気通貫の運用代行を提供している。
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この記事を書いた人
林 健斗(はやし けんと)
株式会社HolyTech 代表取締役
2000年生まれ。大学在学中の2020年にSNSマーケティング事業を起業。再現性の高い運用ノウハウで、1人法人ながら34名の業務委託体制を構築し、累計250社以上へ継続率90%超で支援。漢方ヘッドスパで月間1,100万再生、動画編集スクールで初月640万再生など、業種横断で売上直結の成果を量産。「再生数ではなく売上で見る」を信条に、AI検索時代のSNS運用を提唱している。




