SNS戦略の立て方7ステップ|見る数字と捨てる基準を決める設計書の作り方
SNS戦略の立て方を、目的→KGI/KPI→ターゲット→媒体選定→コンセプト→運用体制→検証の7ステップで解説。総務省の最新利用率と、累計250社以上の運用で使っている3秒継続率・CPOの基準値をもとに、戦略設計書1枚に落とす方法を示します。
結論から言います。SNS戦略とは「何をやるか」のリストではなく、「どの数字を見て、何を捨てるか」を先に決めた設計書です。目的→KGI/KPI→ターゲット→媒体選定→コンセプト→運用体制→検証の7ステップで、1枚に落とし込めます。
「SNS戦略を立てる」と聞くと、多くの担当者は媒体選びから始めます。「若者向けだからTikTok」「BtoBだからFacebook」という具合です。しかし総務省が2026年6月に公表した最新調査では、40代のTikTok利用率は42.6%で、同じ40代のFacebook利用率38.9%を上回っています。思い込みで媒体を決めた時点で、戦略は出発点からずれます。
SNS運用代行 累計250社以上の株式会社HolyTechでは、戦略を「やることの一覧」ではなく「撤退基準つきの数値計画」として作ります。投稿を始めてから迷うのは、努力が足りないからではなく、捨てる基準を決めていないからです。具体的な支援の流れは低価格特化のショート動画制作サービスの詳細をご覧ください。
本記事は、2026年9月時点の公的統計と弊社の実測値をもとに、社内でそのまま使える戦略設計書の作り方を解説します。
本記事と併せて、『ショート動画の教科書』を資料ダウンロード(無料)もご活用ください。
SNS戦略とは|「やることリスト」ではなく「見る数字と捨てる基準」を決める設計書
SNS戦略と運用計画は別物です。運用計画は「週3本投稿する」「リールを増やす」といった行動の予定表です。戦略はその手前にあり、「何のためにやるのか」「成果をどの数字で判定するのか」「その数字に届かないとき何をやめるのか」を定めます。
戦略が無いまま運用を始めたアカウントには、共通の症状が3つ出ます。
- いいね数やフォロワー数など、売上との関係を説明できない数字を追い続ける
- 伸びない企画をやめる根拠が無く、同じ型の投稿を惰性で続ける
- 半年後に「結局効果があったのか」を誰も答えられない
弊社の判断原則は「数値が出ていない施策は、改善か撤退かを即座に決める」です。この判断を運用中に下せるようにするのが戦略の役割です。店舗がSNSを始める際の基本はSNSマーケティングとは?店舗が成果を出す始め方5ステップと実例にまとめていますので、本記事はその先の「設計書の作り方」に絞ります。
SNS戦略の立て方7ステップ|目的から検証までの全体像
SNS戦略は次の7ステップで組み立てます。順番が重要で、前のステップが決まらないまま次に進むと、後工程がすべて感覚頼みになります。
▼このコンセプトの「型」が分かる参考動画(弊社クライアントではない公開アカウント)
・webマーケターの例:「新しい情報であると冒頭で伝えることで「乗り遅れたくない」という人の心理を刺激する」(@osaru_tiktok1)
https://www.tiktok.com/@osaru_tiktok1/video/7578889104125889799
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| ステップ | 決めること | 設計書に書く内容の例 |
|---|---|---|
| 1. 目的 | 新規集客・採用・既存顧客の再来店のどれか1つ | 「新規来店の獲得」 |
| 2. KGI/KPI | 最終目標と、そこに至る途中の数値 | KGI=成約1件あたりの獲得コスト、KPI=再生数・遷移率 |
| 3. ターゲット | 年代・性別・検討段階 | 「30〜40代女性・初回来店前」 |
| 4. 媒体選定 | ターゲットの利用率が高い媒体 | 公的統計の年代別利用率で判断 |
| 5. コンセプト | 誰に何を見せるかの型。2〜3本を並走 | 「施術の疑似体験」「職業体験」 |
| 6. 運用体制 | 誰が数値責任を持つか、会議の頻度 | 週次の社内確認+月次の振り返り |
| 7. 検証 | 続ける型・捨てる型の判定基準 | 3秒継続率と遷移率で判定 |
目的を1つに絞ることが最初の「捨てる」判断です。集客と採用を同じアカウントで同時に狙うと、ターゲットもコンセプトも二重になり、どちらの数字も判定できなくなります。
媒体選定は公的統計で決める|総務省調査の年代別利用率
媒体選定は、担当者の印象ではなく公的統計で決めます。総務省情報通信政策研究所の「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(2026年6月26日公表、13〜79歳の1,800人が対象、今回で14回目)によると、全年代の利用率はLINE 92.9%、YouTube 81.5%、Instagram 54.8%、X(旧Twitter)44.7%、TikTok 36.7%、Facebook 27.0%です。
年代別に見ると、印象と実態のずれがはっきりします。
| 媒体 | 全年代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| LINE | 92.9% | 97.7% | 97.9% | 96.6% | 95.6% | 92.0% |
| YouTube | 81.5% | 96.3% | 94.0% | 91.6% | 84.9% | 72.6% |
| 54.8% | 82.6% | 76.6% | 67.1% | 54.4% | 36.1% | |
| X(旧Twitter) | 44.7% | 73.4% | 67.7% | 57.0% | 40.2% | 24.8% |
| TikTok | 36.7% | 61.5% | 44.7% | 42.6% | 32.2% | 21.2% |
| 27.0% | 23.4% | 37.4% | 38.9% | 33.1% | 22.6% |
読み取れることは3つです。
1. TikTokは若者だけの媒体ではない。40代で42.6%、50代でも32.2%が利用しており、40代ではFacebook(38.9%)を上回ります。TikTokの全年代利用率は2020年の14.9%から36.7%まで伸びています 2. Instagramは性別差が大きい。同調査では女性63.4%に対し男性46.2%で、男性向け商材をInstagram単独で狙うと母数が減ります 3. LINEは「集客媒体」ではなく「受け皿」。ほぼ全世代が使っているため、どの媒体で認知を取っても最終的な導線はLINEに集約できます
なお利用率は「自分が利用している」と回答した割合であり、購買に直結する数字ではありません。媒体を絞った後は、同一の縦型動画をTikTok・Instagramリール・YouTubeショートへ横展開する前提で設計すると、制作本数を増やさずにリーチを広げられます。
KGI・KPIの置き方|売上ではなくCPOから逆算する
SNS戦略のKGIを「売上」に置くと、判定までの期間が長すぎて運用中の改善に使えません。弊社では、新規集客が目的の場合、KGIをCPO(成約1件を獲得するのにかかったコスト)に置くことが多いです。そのうえで、成約までの道のりをKPIに分解します。
| 階層 | 指標 | 弊社が試算に使う前提値の例 |
|---|---|---|
| KGI | CPO(費用÷成約数) | 顧客生涯価値(LTV)の20%程度が目安 |
| KPI① | 1本あたりのリーチ(再生数) | 1万回 |
| KPI② | 再生→プロフィール遷移率 | 2% |
| KPI③ | プロフィール→次の導線(LINE・LP・EC)遷移率 | 2% |
| KPI④ | 導線→購入・成約率 | 10% |
| KDI | 行動量(投稿本数など) | 月の投稿本数 |
この前提で計算すると、1万再生の動画1本から見込める成約は10,000×2%×2%×10%=0.4件です。月10本なら4件で、月額費用を4で割った金額が想定CPOになります。これがLTVの20%に収まるなら実施、収まらないなら施策そのものを見直す、という判断が運用前にできます。遷移率や成約率は業種・商圏・単価で大きく差があるため、自社の実績値が出た時点で前提を置き換えてください。費用の目安はショート動画運用代行の料金・事例(サービス詳細)でも公開しています。
この分解の利点は、ボトルネックが数字で特定できることです。再生数が弱いならコンセプトを変える。再生はあるのにLINE登録が弱いならCTAとプロフィールを直す。打ち手が指標ごとに決まるため、「とりあえず投稿を増やす」という判断が消えます。指標の選び方はショート動画のKPI設計でも詳しく解説しています。
動画:AIで20弱のSNS施策を自動提案!250社支援のSNS戦略設計を完全再現
コンセプトは3秒継続率で検証し、伸びない型を捨てる
平均視聴時間 18.6秒
(運用平均15.6秒)
薬剤師の発信で伸びた型を転用したが、動画編集では危機感が弱く冒頭で離脱
戦略のなかで最も成果を左右するのがコンセプトです。そして、コンセプトは会議では決まりません。2〜3本を並走させ、数字で残す型と捨てる型を決めます。
弊社が最初に見るのは3秒継続率(動画を3秒以上見た人の割合)です。弊社代表のショート動画アカウントでは、同じアカウント内で170万再生の動画と885回再生の動画があり、再生数上位の動画は3秒継続率が67〜76%に集中していました。
動画編集ジャンルのアカウント運用では、コンセプト別の差がさらに明確に出ました。
| コンセプト | 3秒継続率 | 平均視聴時間 | 判定 |
|---|---|---|---|
| プロ目線のレビュー型 | 約53%(運用平均より約6ポイント高い) | 18.6秒(運用平均15.6秒) | 継続・本数を増やす |
| 街頭インタビュー型 | 約53% | 20.2秒 | 継続 |
| 他業種の伸びた型を転用した注意喚起型 | 30〜33% | 短い | 撤退対象 |
3つ目の型は、薬剤師の発信で伸びていた「ちょっと待って」という注意喚起の型を転用したものでした。健康の話題では危機感が強く働く一方、動画編集では危機感が弱く、冒頭で離脱されたというのが弊社の考察です。他業種で当たった型でも、自社の商材で3秒継続率が出なければ捨てる。これが「戦略=捨てる基準」の実例です。
並走の効果は別の業種でも確認しています。漢方ヘッドスパ専門スパでは「施術の疑似体験」と「1人称視点×職業体験」の2コンセプトを並走させ、どちらからも数百万再生の動画が生まれました。プロフィールに固定した約7分の解説動画から公式LINEへ誘導する導線を組み、月間で数千人規模のLINE登録が発生する月もあります(成果は業種・商圏で差があります)。コンセプト検証の詳しい記録はTikTok集客の成功事例|再生数480倍差を生んだコンセプト検証の全記録、指標の仕組みはバズる動画の仕組みをご覧ください。
運用体制と検証サイクル|戦略設計書1枚にまとめる
戦略は、数値に責任を持つ人が決まって初めて動きます。弊社では、事前のシミュレーションで目標数値を先に置き、社内担当と運用会社のどちらがどの数値に責任を持つかを明確にしてから運用を始めます。
検証は2層で回します。
- 週次(社内):目標との差分・原因・解消方針を確認し、数値責任者が改善を主導する
- 月次(対外・経営層):定量事実→考察→次月の改善方針の順でレポート化し、合意を取る
設計書は次の7項目を1枚にまとめれば十分です。①目的(1つ)②KGIと目標CPO ③KPIの前提値 ④ターゲット ⑤媒体と横展開先 ⑥並走させるコンセプト2〜3本 ⑦撤退基準(例:10本投稿して3秒継続率が運用平均を下回る型はやめる)。特に⑦を運用開始前に書いておくことが重要です。伸びない企画をやめる議論は、始まってからでは感情が入って決められません。
また、初月から目標CPOに届く前提は置きません。弊社の提案でも、6ヶ月後の達成目標と1年後の累計で回収を見立てます。短期でCPOを合わせるなら広告、中長期で合わせるならSNSのオーガニック運用が有利になりやすいため、同じCPOの物差しで広告やSEOと横並びに比較してください。
まとめ:SNS戦略は「捨てる基準」まで書いて初めて完成する
- SNS戦略は「見る数字」と「捨てる基準」を先に決める設計書。運用計画とは別物
- 立て方は目的→KGI/KPI→ターゲット→媒体選定→コンセプト→運用体制→検証の7ステップ
- 媒体は総務省調査の年代別利用率で決める。40代のTikTok利用率は42.6%でFacebookの38.9%を上回る
- KGIはCPOに置き、リーチ1万・遷移率2%・2%・成約率10%といった前提値で運用前に採算を試算する
- コンセプトは2〜3本を並走させ、3秒継続率で残す型と捨てる型を決める
- 撤退基準を含む7項目を設計書1枚にまとめ、週次と月次で検証する
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よくある質問(FAQ)
Q1. SNS戦略は何から決めればよいですか? 目的を1つに絞ることからです。新規集客・採用・既存顧客の再来店のどれを狙うかで、KGIもターゲットも媒体も変わります。媒体選びから始めると、後工程がすべて感覚頼みになります。
Q2. SNS戦略のKGIとKPIには何を置けばよいですか? 新規集客が目的なら、KGIはCPO(成約1件あたりの獲得コスト)が扱いやすいです。KPIは再生数→プロフィール遷移率→次の導線への遷移率→成約率の順に分解します。弊社は試算の前提値としてリーチ1万回・2%・2%・10%を使い、実績が出たら置き換えます。
Q3. 媒体はどう選べばよいですか? 総務省「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」の年代別利用率で、ターゲットの年代が実際に使っている媒体を確認します。令和7年度調査では40代のTikTok利用率が42.6%、Instagramは女性63.4%・男性46.2%でした。
Q4. コンセプトが合っているかは、どの数字で判断しますか? 最初に見るのは3秒継続率です。弊社の運用では、伸びた型が約53%、伸びなかった型が30〜33%と明確な差が出ました。再生数は結果であり、3秒継続率は原因に近い指標です。数値は業種やアカウントで差があるため、自社の運用平均との比較で判定してください。
Q5. SNS戦略はどのくらいの頻度で見直すべきですか? 数値の確認は週次、方針の見直しは月次が基本です。コンセプトは10本程度投稿した時点で継続か撤退かを判定し、目的とKGIは半年単位で見直します。
執筆者:林健斗(株式会社HolyTech 代表取締役)/SNS運用代行 累計250社以上 ショート動画を軸に店舗・企業のSNSマーケティングを支援。「顧客のその先へ」をミッションに、企画から分析まで一気通貫の運用代行を提供している。
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この記事を書いた人
林 健斗(はやし けんと)
株式会社HolyTech 代表取締役
2000年生まれ。大学在学中の2020年にSNSマーケティング事業を起業。再現性の高い運用ノウハウで、1人法人ながら34名の業務委託体制を構築し、累計250社以上へ継続率90%超で支援。漢方ヘッドスパで月間1,100万再生、動画編集スクールで初月640万再生など、業種横断で売上直結の成果を量産。「再生数ではなく売上で見る」を信条に、AI検索時代のSNS運用を提唱している。




