透過動画は「MP4で書き出せば透過のまま」ではない|形式5つの比較と単価が上がる素材納品|HolyTech

透過動画は「MP4で書き出せば透過のまま」ではない|形式5つの比較と単価が上がる素材納品|HolyTech

目次

透過動画は、背景を消してMP4で書き出しても透明のままにはなりません。ProRes 4444・WebM(VP9)など透過を持てる形式5つをサイズと用途で比較し、After Effects・Premiere Proの書き出し手順、グリーンバック撮影、単価を上げる質問5つまで整理します。


結論から言います。背景を消した動画は、いつものMP4(H.264)で書き出すと透明な部分が残らず、背景が塗りつぶされた動画になります。透過動画は、透明の情報(アルファチャンネル)を持てる形式で書き出す必要があります。代表はQuickTime形式のApple ProRes 4444で、Appleの公式資料はProResの中でアルファに対応するのは4444系だけと明記しています。Web用ならWebM(VP9)、Apple環境ならアルファ付きHEVCも選べます。透過のロゴアニメ・テロップ・ワイプ素材を正しい形式で渡せる人は、編集者や制作会社から「素材づくり」の仕事を任されます。

本記事の形式・画面の表記は、2026年10月28日時点でAdobe・Apple・Google(YouTube・Chrome)の公式資料で確認できた範囲だけを記載しています。Instagram・TikTok・YouTubeの公式ヘルプで、透過動画をそのまま透明に表示できると明記したページは確認できなかったため、SNS側の透過表示については推測で書きません。

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透過動画は「MP4で書き出せば透過のまま」ではない|透明の情報は別の箱に入る

透明の情報(アルファ)を入れる「4つ目の箱」があるか
動画の1コマ=赤・緑・青の3つの色の情報。透過動画は、ここに「どれだけ透けるか」を表すアルファチャンネルを加えたもの
いつもの書き出し
MP4(H.264)
RGBなし
一般的な書き出しでは透明部分が残らない。別の動画に重ねると四角い背景ごと乗る
透過を持てる形式(代表)
QuickTime(.mov)+ Apple ProRes 4444
RGBA
アルファチャンネルを持てるので透明が残る。ProResでアルファ対応は4444と4444 XQだけ(Apple公式)
透過動画は「見る用の動画」ではなく「別の動画に重ねる部品」。再生ソフトによっては透明部分が黒く見えるため、相手のソフトで重ねて確認するまでが作業

動画の1コマは、赤・緑・青の3つの色の情報でできています。透過動画は、ここに「どれだけ透けるか」を表す4つ目の情報=アルファチャンネルを加えたものです。Appleの白書は、アルファの値を「前景を背景に合成する方法を指定する数値データ」と説明しています。

この4つ目の情報を入れられる形式は限られます。Adobeの公式ヘルプも「すべてのコーデックがアルファチャンネルに対応しているわけではない」と案内しています。普段のMP4(H.264)の書き出しでは透明部分が残らず、別の動画に重ねると四角い背景ごと乗ってしまいます。

よくある思い込み実際
背景を消したので、どの形式でも透明になる透明の情報を入れられる形式(ProRes 4444など)を選んだ時だけ残る
ProResなら全部アルファ付きApple公式資料では、アルファに対応するのはProRes 4444と4444 XQだけ
透過の素材をそのままSNSに投稿できるSNSの公式ヘルプで透過表示の明記は確認できず。投稿する完成動画は背景と合成してから書き出す

透過動画は「見る用の動画」ではなく「別の動画に重ねる部品」です。 再生ソフトによっては透明部分が黒く見えるため、相手のソフトで重ねて確認するまでが作業です。

ここまでの内容を自分に当てはめて知りたい方は、下記から相談できます。

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透過動画の形式5つを比較|透過の可否・サイズ・用途・SNS投稿

ビットレートで見る「重さ」の差
ProResは1920×1080・29.97fps、アルファなしの目安(アルファで数%増)。MP4はYouTube推奨の1080p・標準フレームレート
Apple ProRes 4444 XQ透過:可
約500Mbps
Apple ProRes 4444透過:可
約330Mbps
MP4(H.264)YouTube推奨透過:一般的な書き出しでは残らない
8Mbps
ProRes 4444は1080p MP4の約40倍の重さ。10秒のロゴアニメでも数百MBになるため、受け渡しはギガファイル便などの大容量転送を前提にする
WebM(VP9)・アルファ付きHEVCは「小さめ」、連番PNGは「枚数が多く管理が重い」(公式の数値比較なし)

透明の情報を持てる主な形式を、公式で確認できた範囲で並べました。

▼このコンセプトの「型」が分かる参考動画(弊社クライアントではない公開アカウント)

・sns分析の例:「「同じような内容でも動画の伸びが違う」というリアルな実数値をもとに解説するので信」(@toysns)

https://www.tiktok.com/@toysns/video/7563320758827519253

・ショート動画分析の例:「2秒でパクれる.. #TikTok攻略 #tiktok運用 #tiktok初心者」(@mitton_short)

https://www.tiktok.com/@mitton_short/video/7451489794888174855

参考動画(弊社クライアントではない公開アカウントの投稿)
形式透過ファイルサイズの傾向主な用途SNSに直接投稿
QuickTime(.mov)+Apple ProRes 4444可(アルファは最大16ビット・数学的にロスレス:Apple公式)大きい。1920×1080・29.97fpsで約330Mbps(アルファなしの目安。アルファで数%増)編集ソフト間の受け渡し、制作会社への素材納品素材用。完成動画は合成後に書き出す
QuickTime+Apple ProRes 4444 XQ可(同上)さらに大きい。同条件で約500Mbps高画質が必要な映像作品の素材同上
WebM(VP9のアルファ)可(Chrome 31以降で再生に対応:Chrome公式ブログ)小さめWebサイトに重ねる動画同上
アルファ付きHEVC(.mov)可(Appleが2019年に対応を発表。macOS 10.15以降)小さめApple製品のアプリ・Web向け同上
連番PNG(1コマ1枚の画像)可(PNGはアルファを持てる:W3C仕様)枚数が多く管理が重い書き出しトラブル時の予備、合成作業不可(動画ではない)
参考:MP4(H.264)一般的な書き出しでは残らない小さい。YouTube推奨は1080p・標準フレームレートで8Mbps完成動画の投稿投稿用(YouTube推奨形式)

ProRes 4444はYouTubeが推奨する1080pのMP4のビットレート(8Mbps)と比べて約40倍の重さです。 10秒のロゴアニメでも数百MBになるため、受け渡しはギガファイル便などの大容量転送を前提にします。ビットレートとコーデックの基本は動画エンコードの設定手順で整理しています。

迷ったら、相手が編集ソフトで使うならProRes 4444、Webに載せるならWebM、相手の環境が分からなければProRes 4444と連番PNGの2種類を渡すのが安全です。

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透過動画の書き出し手順|After Effects・Premiere Pro・DaVinci Resolve

After Effectsで透過動画を書き出す6ステップ
STEP 1|確認
背景に色の平面(ソリッド)を置いていないか
置いたままだと、その色ごと書き出される
STEP 2
コンポジションを選び、レンダーキューに追加
STEP 3|形式
出力モジュールの形式を「QuickTime」
STEP 4|コーデック(重要)
ビデオコーデックで「Apple ProRes 4444」
STEP 5|チャンネル(重要)
「RGB + アルファ」(英語版:RGB + Alpha)
色深度はMillions of Colors+(アルファ付き)になる(Adobe公式・英語版)
STEP 6|納品前の確認
レンダリング後、別コンポジションの映像に重ねて透明が残るか確かめる
「RGB + アルファ」が選べない=コーデックがアルファ非対応。STEP 4のコーデック選択から見直す

画面上の表記は、公式ヘルプで確認できた範囲です。日本語版と英語版で表記が違う場合は両方を書きます。

After Effectsで書き出す(ロゴアニメ・テロップ素材の定番)

1. コンポジションの背景に色の平面(ソリッド)を置いていないか確認する。置いたままだと、その色ごと書き出される 2. コンポジションを選び、レンダーキューに追加する 3. 出力モジュールの設定で、形式を「QuickTime」にする 4. 形式オプションのビデオコーデックで「Apple ProRes 4444」を選ぶ 5. 「チャンネル」を「RGB + アルファ」(英語版:RGB + Alpha)にする。Adobe公式(英語版)は、RGB + Alphaを選ぶと色深度がMillions of Colors+(アルファ付き)になると説明している 6. レンダリングし、書き出したファイルを別のコンポジションの映像の上に重ねて、透明が残っているかを確かめる

RGB + アルファが選べない時は、コーデックがアルファ非対応です。コーデックの選択から見直します。

Premiere Proで書き出す(背景を抜いた人物・ワイプ素材)

1. 背景を抜いたクリップの下に、背景用のクリップや色を置いていないか確認する 2. 書き出し画面で形式を「QuickTime」にする 3. ビデオコーデックで「Apple ProRes 4444」を選ぶ(Adobe公式の書き出し設定リファレンスに、QuickTimeのコーデックとしてApple ProRes 4444・4444 XQが掲載) 4. ビデオ設定の中にあるアルファチャンネルの項目を確認する。項目の位置と名前はバージョンで変わるため、手元の画面で確認する 5. 書き出したファイルを新しいシーケンスで別の映像に重ね、透明が残っているかを確かめる

Adobe Media Encoderの既知の問題として、M1 Pro・M1 Max・M1 Ultra搭載機でアルファ付きのProRes 4444・4444 XQに書き出すとエラーになる場合があると公式に案内されています。該当する機種では、書き出し後の確認を必ず行います。

DaVinci Resolveで書き出す

公式マニュアルで2026年10月時点の項目名を確認できなかったため、一般化して書きます。デリバーページのレンダー設定でアルファ対応のコーデック(ProRes 4444など)を選び、アルファを書き出す設定を有効にします。

ここまでの手順を一人で進めるのが不安な場合は、下記から相談できます。

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背景を抜く撮影の基本|グリーンバックは「面の数」と照明で決まる

人物の背景を抜いて透過素材にする場合、仕上がりは撮影で決まります。Adobeの公式ヘルプは、Premiere ProのUltraキー(英語版:Ultra Key)で背景を抜く前提として、均一に照らした緑か青の背景を使い、背景に近い色の服を避けるよう案内しています。

弊社の運用現場でも、グリーンバックの判断は次のように行っています(業種のみ記載)。

業種(属性化)起きたこと・判断学び
美容クリニック人物が動く演出は、床と壁の2面のグリーンバックが必要と判断。動かない演出なら床と平行な1面で対応できる動きがあるかで必要な面の数が変わる
同上照明が足りないと、光の当たり方でグリーンバックに色ムラが出て完成度が下がると判断し、演出を変更照明が足りない現場では無理に抜かない
動画編集スクールグリーンバックの上で人物に体勢を取ってもらい、手を離した瞬間に背景が切り替わる撮影を設計。撮影可能かを先方への確認事項に入れた撮影できるかを先に確認する

背景を抜く撮影は次の順です。

1. 演出で人物が動くかを決める(動くなら床と壁の2面、動かないなら1面) 2. 背景に影やシワが出ないよう、背景と人物を別々に照らす 3. 出演者に、緑や青に近い服を避けてもらう 4. 編集でUltraキーなどのキーイング機能を使い、キーカラーをスポイトで指定して背景を抜く 5. 抜いた素材をProRes 4444で書き出し、別の映像に重ねて縁に緑が残っていないかを確かめる

背景を抜くかぼかすかの比較は動画の背景ぼかしの方法5つで整理しています。

透過素材を単価につなげる|現場で頼まれる3場面と受ける前の質問5つ

透過素材を受ける前に聞く5つの質問と判断
#聞くこと回答を受けての判断
1素材はどのソフトで使いますか?Premiere Pro・After Effects・DaVinci ResolveならProRes 4444を提案
2Webサイトに載せますか、動画に重ねますか?WebならWebMを候補に入れる
3大容量のファイルを受け取れますか?ProRes 4444は重い。転送方法を先に決める
4確認はどの端末とソフトで行いますか?透明部分が黒く見える再生ソフトがある前提で伝える
5読みやすさが落ちたら背景付きに戻してよいですか?透過は「毎回使う技術」ではない。戻す判断も編集者の仕事
5番目まで聞ける人=「使われ方」から逆算して作れる人。企画や運用の側の仕事につながる

ショート動画の編集単価は、公開されている目安でクラウドソーシング経由が1本1,000円〜5,000円程度、直接契約やSNS経由が1本5,000円〜3万円程度と幅があります(案件・時期・作業範囲で差があります)。透過素材は単体の単価より、「この人に部品を頼めば修正が出ない」と思われて継続の依頼が増えることに価値があります。

弊社の現場で実際に「透過」が話題になった場面は、次の3つです。

1. 画像の白い部分を抜く:漢方ヘッドスパ専門スパの動画で、冒頭に使うイラストの周りの白い部分を透過させ、イラストだけを見せるよう修正指示が出た 2. 画面の上下に素材を収める:画像を切り抜くと文字がずれて見えないため、透過を使って上下に収める作り方を相談された 3. 透過をやめる判断:Webデザインスクールの動画で、テロップの背景を透過にしたら背景と重なって読みづらくなり、「透過なし」に変更した

3つ目が大事です。透過は「できる技術」であって、毎回使う技術ではありません。 読みやすさが落ちるなら、背景付きのテロップに戻す判断も編集者の仕事です。テロップや素材の単価の考え方はショート動画編集の副業単価は「尺」で決まらないで整理しています。

透過素材を頼まれたら、受ける前に次の5つを聞きます。

1. 素材はどのソフトで使いますか?(Premiere Pro・After Effects・DaVinci Resolveなら、ProRes 4444を提案) 2. Webサイトに載せますか、動画に重ねますか?(Webなら、WebMを候補に入れる) 3. 大容量のファイルを受け取れますか?(ProRes 4444は重い。転送方法を先に決める) 4. 確認はどの端末とソフトで行いますか?(透明部分が黒く見える再生ソフトがある) 5. 透過にした後、読みやすさが落ちたら背景付きに戻してよいですか?

5番目まで聞ける人は「使われ方」から逆算して作れる人で、企画や運用の側の仕事につながります。

費用感を確認できたら、自分の場合の進め方は下記から相談できます。

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まとめ:透過動画は「形式選び」と「重ねて確認」までが納品

  • 透過動画は、透明の情報(アルファチャンネル)を持てる形式で書き出した時だけ透明が残る。いつものMP4(H.264)では残らない
  • ProResでアルファに対応するのは4444と4444 XQだけ(Apple公式)。Web用はWebM(VP9)、Apple環境はアルファ付きHEVC、予備は連番PNG
  • ProRes 4444はYouTube推奨の1080p MP4の約40倍の重さ。転送方法を先に決める
  • After Effectsは「Apple ProRes 4444」+「RGB + アルファ」。書き出し後は別の映像に重ねて確認する
  • グリーンバックは、動きがあれば2面・なければ1面、照明が足りなければ無理に抜かない
  • SNSの公式ヘルプで透過表示の明記は確認できず。投稿する完成動画は背景と合成してから書き出す

「素材づくり」から「運用」側の仕事へ進みたい方へ

透過素材を正しい形式で渡せる人に、編集者や制作会社から部品づくりの仕事が集まります。さらに企画や撮影の段取りまで提案できると、任される範囲が広がります。弊社はSNS運用代行を累計250社以上支援し、その現場のカリキュラムで、企画・台本・分析改善まで含めた「運用」を教えるスクール「TikTokマネタイズ」を運営しています。有料の講座です。

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記事の内容を実行する前に、まず相談したい方は下記からどうぞ。

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よくある質問(FAQ)

Q1. 透過動画をMP4で書き出すことはできますか? 一般的なMP4(H.264)の書き出しでは透明部分は残りません。透過を残すなら、QuickTime形式のApple ProRes 4444、Web用ならWebM(VP9)など、アルファチャンネルを持てる形式で書き出します。

Q2. ProRes 422でも透過になりますか? なりません。Appleの公式資料では、ProResの中でアルファチャンネルに対応するのはProRes 4444とProRes 4444 XQだけです。

Q3. 透過動画をInstagramやTikTokにそのまま投稿できますか? Instagram・TikTok・YouTubeの公式ヘルプで、透過動画を透明のまま表示できると明記したページは確認できませんでした。投稿する完成動画は、透過素材を背景と合成してからMP4などで書き出します。

Q4. 書き出した透過動画の背景が黒く見えるのは失敗ですか? 再生ソフトによっては透明部分が黒く表示されます。編集ソフトで別の映像に重ね、下の映像が透けるかで判断します。

Q5. 透過素材を作れると副業の単価は上がりますか? 透過素材そのものに大きな別料金が付くとは限りません。形式を相手のソフトに合わせ、修正が出ない納品を続けると、継続の依頼や素材づくりの仕事を任されやすくなります。成果には個人差があり、収入を保証するものではありません。


著者:林健斗(株式会社HolyTech 代表取締役) SNS運用代行 累計250社以上。時給600円の動画編集から運用代行(時給5,600円)に移った経験と、店舗・クリニック・スクールのショート動画でグリーンバック撮影や透過素材の扱いを編集者と判断してきた現場をもとに、副業で動画編集に取り組む人に向けて発信している。

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林健斗

この記事を書いた人

林 健斗(はやし けんと)

株式会社HolyTech 代表取締役

2000年生まれ。大学在学中の2020年にSNSマーケティング事業を起業。再現性の高い運用ノウハウで、1人法人ながら34名の業務委託体制を構築し、累計250社以上へ継続率90%超で支援。漢方ヘッドスパで月間1,100万再生、動画編集スクールで初月640万再生など、業種横断で売上直結の成果を量産。「再生数ではなく売上で見る」を信条に、AI検索時代のSNS運用を提唱している。