中国人インフルエンサーの起用手順|媒体の選び方・費用相場とステマ規制|HolyTech

中国人インフルエンサーの起用手順|媒体の選び方・費用相場とステマ規制|HolyTech

目次

中国人インフルエンサーの起用は媒体選定でほぼ決まります。RED・抖音・WeChatの違い、ギフティングとPR案件の費用相場の幅、ステマ規制の表示ルール、起用前にやる店側の準備までを2026年9月時点の公的統計と自社実測で解説します。


結論から言います。中国人インフルエンサーを起用する前に決めるべきは「誰に頼むか」ではなく「自分の店に来られる中国語話者が、実際にどの媒体を見ているか」です。2026年はその答えが訪日客側から在日側へ大きく動きました

日本政府観光局(JNTO)の推計値では、2026年7月の訪日外客数は344万2,100人で7月として過去最高です。一方、中国からの訪日客は42万8,200人で前年同月比56.1%減、1〜7月累計は248万6,500人で同56.3%減でした。全体が過去最高圏のなか、中国市場だけが半分以下です。

同じ時期、日本国内に住む中国籍の人は増えています。出入国在留管理庁の公表では、令和7年6月末時点の在留外国人395万6,619人のうち中国は90万738人です。「中国語で情報を取り、日本で買い物や来店をする人」の母数は、在留者側に厚みが移っています。

SNS運用代行 累計250社以上の株式会社HolyTechでは、起用判断を「フォロワー数」ではなく「直近10投稿の平均リーチ数と想定CPM」で行い、体験型アトラクション施設ではPR費0円のギフティングだけでクーポン使用1,726回を獲得しました。本記事では媒体の地図・起用の3形態と費用の幅・法令上の必須表示・起用より先に着手すべき準備を順に示します。

本記事の続きと併せて、HolyTechのSNS運用代行サービス資料(無料)もご活用ください。

2026年の前提|訪日は半減、在日は過去最多という数字のねじれ

まず数字を置きます。出典はJNTO(2026年8月20日発表の7月推計値)と出入国在留管理庁です。

指標数値前年比
訪日外客数(2026年7月)344万2,100人+0.1%(7月として過去最高)
うち中国(2026年7月)42万8,200人−56.1%
うち中国(2026年1〜7月累計)248万6,500人−56.3%
在留中国籍者(令和7年6月末)90万738人在留外国人総数は395万6,619人

JNTOの月次資料では、減少要因として中国政府による日本への渡航に関する注意喚起と航空便の減便が挙げられています。この状況がいつまで続くかは断定しません。ただし、2026年の予算を「訪日中国人向け」だけで組むと、母数が半分の市場に賭けることになります

中国人インフルエンサーを起用する前に押さえる媒体の地図

日本のSNSと中国圏のSNSは、名前が似ていても別のサービスです。取り違えたまま提案を受けると比較ができません。

▼このコンセプトの「型」が分かる参考動画(弊社クライアントではない公開アカウント)

・webマーケターの例:「新しい情報であると冒頭で伝えることで「乗り遅れたくない」という人の心理を刺激する」(@osaru_tiktok1)

https://www.tiktok.com/@osaru_tiktok1/video/7578889104125889799

・プロと素人の比較の例:「プロと素人の比較動画を提示、その違いを視聴者に見せて権威付けしつつ、 何が違うの」(@takamatsu_cookingteacher)

https://www.tiktok.com/@takamatsu_cookingteacher/video/7467128173650644231

参考動画(弊社クライアントではない公開アカウントの投稿)
媒体位置づけ日本の事業者から見た実務
RED/小紅書画像・テキスト中心の口コミ検索。MAUは3億人規模(2024年の公式発表。3.2億超とする記述もあり幅があります)店舗・商品の口コミ探索に使われる。公式基盤「蒲公英」経由で発注できる
抖音(Douyin)中国本土向けショート動画。日本のTikTokとは別アプリ。本土のMAUは10億超とされる登録・本人認証に中国の携帯番号が必要。外国籍はLIVEや物販機能を使えないとされる
WeChat/微信メッセージ+モーメンツ+ミニプログラム在日中国人調査では参考メディアの2番手。広告面ではなく口コミの伝播路
Bilibili長尺動画・コミュニティ来店誘導より商品理解に向く
日本のTikTok/Instagram日本国内向け在日中国人・留学生も日常的に使う。日本語圏と同じ設計が効く

最重要の分岐点は、中国本土ではTikTokではなく抖音である、という一点です。日本のTikTokをどれだけ伸ばしても本土の抖音ユーザーには届きません。日本国内の中国語話者へ届けたいなら、日本のTikTok・Instagramと、日本から普通に使えるREDが主戦場になります。

アライドアーキテクツが2024年9月11日〜10月2日に在日中国人500名へ行った調査では、商品購入や店舗来店を検討する際に参考にするメディアはRED(小紅書)が90%以上でトップ、次点が「WeChat(友達・知人)の投稿」で約50%前後でした。後押しになった投稿はKOL(専門家・有名人)よりKOC(一般消費者に近い発信者)のものが多く、また回答者の約85%が直近1年間に日本国内で知人・家族をアテンド(案内)した経験があると答えています。在留者は、自分が買うだけでなく来日した人を店へ連れて行く導線そのものです。インバウンド向け動画の作り方はインバウンド集客はリールAI翻訳で変わる|日本語対応の設定と活用法で解説しています。

起用の3形態|ギフティング・PR案件・KOCの使い分けと費用の幅

起用の形は3つです。1番目を飛ばすと単価だけが上がります。

形態費用向くケース
招待・ギフティング商品提供・無料招待のみ(0円)予算が小さい/体験の絵が強い業態
PR案件(有償)投稿1本ごとの固定費出稿時期を確定させたい業態
KOC活用(少額×多数)少額を多人数へ「複数人が言っている」状態を作りたい

弊社が体験型アトラクション施設で実施した施策では、約90人へアプローチして10人以上が実投稿に至り、最大の成果はPR費0円のギフティング枠でした(業種・商圏で差があります)。ギフティングは「タダで頼む」ことではなく、体験の価値を交渉材料に変える設計です。

費用相場は出所によって差が大きく、断定はしません。RED支援会社Aの記載(2025年12月更新)はフォロワー1,000〜5,000人で図文投稿 約5,000円〜・動画 約10,000円〜(別途プラットフォーム手数料10%)、支援会社Bの記載(2026年4月公開)はKOC(数千〜1万人)1万円〜数万円、マイクロKOL(1万〜10万人)5万〜20万円です。同じ帯でも記載が一致しません。見積もりは「フォロワー単価」ではなく「平均リーチで割った金額」で出させてください

フォロワー数で選ぶと外れる、という自社実測

弊社が体験型アトラクション施設で起用した3名の実データです。計測は公式LINEのインフルエンサー別キーワードで行いました。

フォロワー平均リーチPR費LINE登録登録1件あたりクーポン使用(来店)
2,566人約87,0000円(ギフティング)248人0円1,726回
13,000人約89,00030,000円131人約229円25回
48,000人約48,00070,000円10人7,000円

フォロワー4.8万人の起用が、2,566人の起用に全指標で負けています。高価格帯飲食店でも同じ傾向でした。PR費13万円の起用はLINE登録612人で1件212円、PR費9万円の起用は652人で1件138円、一方でPR費2.9万円の起用はLINE登録2人・1件14,500円です(業種・商圏で差があります)。

見るのは直近10投稿の平均リーチ、想定CPM(PR費÷平均リーチ×1,000)、投稿後1週間以内の純増で割った獲得単価の3つです。弊社は想定CPM 500〜1,000円以内をベンチマークにしています。考え方はインフルエンサーマーケティングはフォロワー数で選ぶな、実数値の全記録は【PR費0円で来店1,726回】体験型アトラクション施設の集客を「フォロワー数で選ぶな」に切り替えた話にまとめています。

中国語圏の発信者でも判断軸は同じで、条件が1つ増えます。その発信者の読者が、日本国内で実際に来店できる場所にいるかどうかです。中国本土在住の読者が大半のアカウントに来店型の案件を出しても、2026年の渡航状況では来店に変換されません。在日コミュニティに読者を持つ発信者を優先してください。

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起用の注意点4つ|ステマ規制・導線・権利・効果測定

①「広告である旨」の表示は発注側の義務

日本では2023年10月1日から、景品表示法上の不当表示として「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」が指定されています。消費者庁Q&Aの要点です。

  • 規制の対象は事業者(広告主)。依頼を受けて投稿したインフルエンサーやアフィリエイター側は対象外とされています。責任は発注した店・企業側にあります
  • 認められる表記は「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」などの用語、または「A社から商品の提供を受けて投稿している」といった文章
  • 返信・ツリー(リプライ)内に書くだけでは明瞭とはいえない場合が多いとされています
  • 動画は冒頭の一度だけでは見逃すおそれがあるため、全体を通して明瞭にすることが望ましいとされています
  • 「私は○○社の社員です」と所属を明示するだけでは、必ずしも明瞭とはいえないとされています

ギフティングも対価の提供にあたります。PR費0円でも表示は必要です。個別の適否は消費者庁の公式Q&Aと専門家に確認してください。中国側にもインターネット広告に関する規制があり、広告の識別性が求められます。日本の景表法と中国側の規定を両方満たす表示方法を、発注書に明記してください

②言語・決済・予約の導線が切れていないか

投稿を見て来店を決めても、予約が日本語のみ・電話のみ、決済が現金のみでは止まります。予約ページの多言語対応、オンライン予約の可否、店内メニューの中国語表記を先に点検してください。同じ予算なら、投稿を出す前に導線を直すほうが戻りが大きくなります。

③素材の二次利用の範囲を先に決める

撮影された動画・写真を自社広告や公式サイトで使うかは投稿前に決めます。「投稿1本」だけと「二次利用込み」では費用が変わります。掲載期間・削除の可否・改変の可否を発注書に入れてください。

④効果測定は再生数ではなく来店で見る

REDの案件では投稿後7日目を目安にデータを確認する運用が一般的です。弊社は発信者ごとに公式LINEの専用キーワードを発行し、誰経由の登録・クーポン使用かを追跡しています。再生数は発注先の成績表であって、店の成績表ではありません。見るべきは登録数・来店数です。

起用より先に、店側で終わらせる4つ

順番を逆にすると費用の戻りが落ちます。起用は最後です。

1. 地図検索とレビューを整える。口コミで知った人が最初に開くのはGoogleマップです。営業時間・写真・メニュー・レビュー返信を先に埋めます。手順はインスタの位置情報で来店を増やす方法|地図検索×MEO併用術を参照してください 2. 字幕を焼き込む。音を出さずに見る視聴が前提です。自動翻訳の字幕表示に頼らず動画そのものに焼き込みます 3. 受け皿を作る。投稿から公式LINE・予約ページへ1タップで飛べる状態にし、プロフィール上部にリンクと特典を固定します 4. 店頭を準備する。中国語のメニュー・注文方法のPOP・決済手段の掲示を用意します。来店した人が困れば、その体験が次の口コミになります

弊社の実測では、再生回数と最も相関が強いのは冒頭3秒継続率(相関係数+0.76)です。動画の質と店側の受け皿は掛け算になります。

まとめ:中国人インフルエンサーは「媒体」と「読者の居場所」で選ぶ

  • 2026年1〜7月の中国からの訪日客は248万6,500人・前年同期比56.3%減(JNTO推計値)。在留中国籍者は90万738人(令和7年6月末)。母数は在日側へ動いている
  • 中国本土の主戦場はTikTokではなく抖音。日本国内の中国語話者にはREDと日本のTikTok・Instagramが効く
  • 在日中国人500名調査では、購入・来店の参考メディアはREDが90%以上でトップ。後押しになるのはKOLよりKOCの投稿
  • 費用は出所によって幅が大きい。平均リーチ・想定CPM・投稿後1週間の純増で割った獲得単価で判断する
  • ステマ規制(2023年10月1日施行)の責任は発注した事業者側にある。ギフティングでも明瞭な表示が必要
  • 起用より先に、地図検索・字幕の焼き込み・受け皿・店頭の4点を終わらせる

インフルエンサー任せにせず、自社で回る動画の資産を持ちませんか

インフルエンサー施策は、出した月だけ効きます。翌月も同じ本数を出すには同じ予算が要ります。弊社のショート動画運用代行は動画1本あたり7,500円(税込)で、企画・台本・撮影・編集・投稿・分析まで一気通貫。初期費用0円キャンペーンを実施中です。発注側の作業は「撮影協力・納品確認・月1MTG」の3点のみで、発信者の選定・交渉・計測設計まで同じチームが担当します。まずはショート動画1本の無料お試しをご利用ください。お問い合わせはhttps://holytech.jp/contact/から承ります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 中国人インフルエンサーを起用するなら、どの媒体から始めるべきですか? 日本国内への来店・購入が目的なら、RED(小紅書)と日本のTikTok・Instagramの併用です。在日中国人500名への調査では、購入・来店の参考メディアはREDが90%以上でトップでした。抖音は中国本土向けで登録に中国の携帯番号が必要なため、日本側からの自社運用は難易度が高くなります。

Q2. 起用費用の相場はいくらですか? 公開情報に幅があります。フォロワー1,000〜5,000人の画像投稿で約5,000円〜・動画で約10,000円〜とする支援会社の記載がある一方、KOC1万円〜数万円・マイクロKOL5万〜20万円とする記載もあります。フォロワー単価で比べず、平均リーチで割った想定CPMで見積もりを比較してください。

Q3. ギフティング(無料招待)でもPR表記は必要ですか? 必要です。無料招待や商品提供も対価の提供にあたり、2023年10月1日施行のステマ規制の対象になります。責任は発注した事業者側にあるため、「広告」「PR」等の明瞭な表示方法を依頼書で指定してください。リプライ内の記載や動画冒頭だけの表示では、明瞭といえない場合があるとされています。

Q4. フォロワーが多い人に頼めば来店は増えますか? 増えるとは限りません。弊社が体験型アトラクション施設で起用した実例では、フォロワー2,566人・PR費0円の起用がLINE登録248人・クーポン使用1,726回を獲得し、フォロワー4.8万人・PR費7万円の起用はLINE登録10人でした。平均リーチと、投稿後1週間の純増で割った獲得単価で判断してください(業種・商圏で差があります)。

Q5. 訪日中国人が減っている今、起用する意味はありますか? 目的を在日中国人の来店に置くなら意味があります。2026年1〜7月の中国からの訪日客は前年同期比56.3%減ですが、在留中国籍者は90万738人で、約85%が直近1年間に日本国内で知人・家族をアテンドした経験があるという調査結果もあります。訪日客向けの設計を在日コミュニティ向けに組み替えてください。


執筆者:林健斗(株式会社HolyTech 代表取締役)/SNS運用代行 累計250社以上 ショート動画を軸に店舗・企業のSNSマーケティングを支援。「顧客のその先へ」をミッションに、企画から分析まで一気通貫の運用代行を提供している。

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林健斗

この記事を書いた人

林 健斗(はやし けんと)

株式会社HolyTech 代表取締役

2000年生まれ。大学在学中の2020年にSNSマーケティング事業を起業。再現性の高い運用ノウハウで、1人法人ながら34名の業務委託体制を構築し、累計250社以上継続率90%超で支援。漢方ヘッドスパで月間1,100万再生、動画編集スクールで初月640万再生など、業種横断で売上直結の成果を量産。「再生数ではなく売上で見る」を信条に、AI検索時代のSNS運用を提唱している。